21世紀は大企業の時代ではなく、フリーランスの時代だと言われていますが、まだ「自由」という言葉だけが一人歩きしており、「成果」や「責任」という言葉の重みが感じられないような気がします。
少し大きなスケールで考えれば未来予言者、ジャック・アタリが指摘するように、企業ではなく個人が様々な分野のプロフェッショナルとして日本内外で活躍する時代になりますが、それとは引き換えに日本で食べていくことができなくなった日本人は、仕事を求めて外国に行かなければなりません。
↑心配なのは国内では食べていくことができなくなった人達だ。
20世紀は映画ゴット・ファーザーやワンピースの海軍に代表されるようなトップダウンの働き方が主流でしたが、ITやグローバリズムが与えた変化によって、21世紀はそれぞれのプロフェッショナルがチームを組み、ミッションをこなす映画オーシャンズ11や麦わらの一味のようなワークスタイルに変化していくことが予想されます。
映画の中に出てくるジョージ・・クルーニのような強力なリーダーが様々な分野のプロフェッショナルを集め、一つのミッションを確実にこなしていきます。(映画の中のミッションはラスベガスから巨額のお金を盗むこと)
そしてミッションが終了すると、そのチームはまたバラバラになり、新しいミッションにアサインされるため、個人が国境を越えて動き、流動性が高いものになっていきます。
↑21世紀はゴッド・ファーザーではなくて、オーシャンズ11。
ただグローバル時代を背景に多くの日本人が海外に出ていきますが、それと同時に多くの外国人が日本入ってくる、もしくは単調な仕事が海外にアウトソーシングさせるため、日本で食べていけなくなった人は職を求めて、嫌でも海外に出ていかなければなりません。
例えば、ドバイなどは急激に経済が成長しているため建設ラッシュが続いていますが、多くの労働者はインドやパキスタンなどから派遣され、建物が完成すると、また別の仕事を探しに世界を彷徨うことになります。
↑21世紀:あなたはプロとして世界に出るか。それとも労働者として世界を彷徨うか。
映画「イントゥ・ザ・ワイルド」の主人公、クリストファーはアメリカの名門大学を卒業した後、現実社会に嫌気が指し、自由を求めて旅に出ます。
そして旅先で会った老人に「もういい歳なんだから、しっかり就職しなさい」と言われますが、「キャリアなんて20世紀の遺物ですよ」と笑いながら言い返すシーンがあります。良い意味でも悪い意味でも、キャリアは「20世紀の遺物」なのかもしれません。
↑良い意味でも、悪い意味でもキャリアは「20世紀の遺物」
最終的に主人公はアラスカで自由を謳歌した後、厳しいアラスカの大地で亡くなってしまいますが、自由を謳歌しているノマドワーカーにも同じ運命が待っているかもしれません。
もちろん、国境を越える新グローバルノマドになるか、嫌々国境を越えなければならない「出稼ぎノマド」になるのは本人次第ですが、自由は与えられるものではなくて、勝ち取るものだと時代が教えてくれているように思います。