April 21, 2017
孤独は21世紀において最も生産性が高い行動「チームではなく、一人で仕事をしろ。」

アメリカ人はいつもフレンドリーで、外向型な人達が多いように思われていますが、実はどの研究を見ても、アメリカ人の1/3から1/2は内向型の人間で、特に日本人を含めたアジア人は孤独になるのが苦手あり、日本でも「友達がいない人間は価値が低い」と見られる概念が当たり前のように思われがちです。

しかしながら、アーティストや芸術家が数年間、部屋にこもって作品を作るように、孤独とは21世紀においてとても生産性が高い行動と考えられるようになるでしょう。

実際、他人にできない仕事をする人というのは、周囲にはしっかりとコミュニケーションを取れるように見せつつも、若い時に必ずと言ってよいほど、2年なり、3年なりの孤独な時期を体験しており、外向型な人達は組織や社会でリーダーシップを取れるかもしれませんが、内向型の人達は思想や芸術の分野で、圧倒的なリーダーシップを発揮することが期待されます。(1) (2)

また、社交的な人はSNSで自分のイメージを膨張させ、架空の自分を演じる傾向があります。しかし、様々な研究によれば、内向型の人達は友人や両親が驚くようなことを堂々とSNSに投稿して、「本当の自分」をさらけ出し、大勢の人達の前ではとても会話ができないような人でも、オンライン上では100万の人達を相手に自分の意見を語っていたりすることは、海外などでもよくある話です。

アップルの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアックは、真の創造性を発揮したいのであれば、「チームではなく、一人で仕事をしろ」と言います。(3)

最近の世の中の動きとしては、「ワーク・シフト」の著者、リンダ・グラットン氏が指摘するように、様々な業界のプロフェッショナルを連鎖させてイノベーションを起すというのがビジネス界のトレンドですが、複数の人が協力して仕事をする場合、一人一人が自らの孤独をくぐり抜け、それぞれの人達が「単独者」としてプロジェクトに関わることが絶対条件になってきます。

ジョブズとウォズニアック、ビル・ゲイツとポール・アレン、本田宗一郎と藤沢武夫、そして、盛田昭夫と井深大がそうであったように。

恐らく、内向型な人でも、自分が重要視する仕事や、自分が高く評価している物事であれば、外向型の人のように振る舞えるのでしょう。

ただ、特に興味のない人と天気の話をするのが耐えられないだけなのかもしれません。

◆参考書籍1.スーザン・ケイン「内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える」講談社、2015年 Kindle 2.齋藤 孝「孤独のチカラ」新潮社、2010年 P45 3.スティーブ・ウォズニアック「アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝」ダイヤモンド社、2008年

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