ベトナムはホーチミン市、フエ市、そしてハノイ市を訪れました。ベトナムは社会主義国家の中に資本主義を導入するという奇妙な政策をとっていますが、200メートルおきに政府の役人みたいな人が座っており、見張られているようで少し変な気がします。
今から考えれば、社会主義など到底上手くいきそうにない考え方ですが、ほんの数十年前まで、このイデオロギーがもとで、多くの人が命を落としました。
↑まだまだ記憶に新しいベトナム戦争
市場経済を導入したベトナムは近年安定した経済成長が続いていますが、政治は共産党の独裁国家であり、今だに民主化を唱える人々が逮捕されることもあるそうです。
経済の中心地、ホーチミン市は少し前まで社会主義国家だったとは思えないほど活気に溢れていますが、経済成長は4%台と、「21世紀の共産党」という不気味な政治体制がベトナムの経済発展を遅らせているようにも思えます。
↑ベトナムの政治体制が経済成長を遅らせている
ベトナムのAirBnBのホストはアメリカでコンピューター・サイエンスの学位を習得し、シリコバレーの500 Start-Upにも参加していたThuyさんでした。
少し大きめのアパートの一室で10人ほどのメンバーが作業しており、ベトナムでも少しずつスタートアップ文化が生まれつつあるのかもしれません。
GMOやサイバー・エージェント、そしてDNAなど日本企業のお金も少しずつベトナムに流れていっているようですが、ベトナム人の約半分は30歳以下で、そのほとんどがインターネットにアクセスしているという大きな市場があります。
↑Thuyさんの会社が開発中のアプリ
ベトナムは1990年まですべてが閉ざされた国でした。様々なもの抑えつけられてきた若者の反動がいま爆発する時なのかもしれません。
加藤順彦さんは「若者よ、アジアのウミガメとなれ」という本の最後にベトナムに訪れた時のことを次のように表現しています。
「明け方5時半ぐらいにバイクの音によって起こされました。私は現地の人に彼らはこんな朝早くからどこに行くのですか?と訪ねました。」すると現地の人は笑って次のように答えたそうです。
「彼らは出勤してるんじゃない。朝が来て嬉しいから走っているんだ。朝が来たことを喜んでいるんだ。」
↑朝が来て嬉しいから走る
日本には「サザエさん症候群」という言葉があります。
これはサザエさんを見ると急に現実に直面し、明日から仕事や学校に行かなければいけないと感じる簡単なうつ病らしいのですが、どうしたら僕たち日本人が、「朝が来て嬉しい!」と心から感じることができるのでしょうか。
その答えがでた時、僕たちはやっと前に進めるのかもしれません。