2008年の金融危機は、感情、社会、そして経済のおける大きなリセットであるとの指摘。このような価値観の大きなリセットを背景に入れると、公共の利益を回復させるという名目で、政府が新卒支援や20世紀の産業に税金をつぎ込むのは、将来のチャンスをどんどん潰していっているのではないでしょうか。
「グレート・リセット」の著者、リチャード・フロリダ氏によれば、金融危機後の現在は、モノづくりから知識と想像力によって経済が作られる第三次産業革命移行時期の真っ只中であり、人類史上はじめて、経済が発展していくために人間のクリエイティブな才能が必要とされていると指摘しています。
↑人類史上始めて、人間のクリエイティブな能力が必要とされ始めた。(Photo)
日本では「草食系男子」という言葉があり、車やブランド品など、従来のラグジュアリーに興味がなく、質素に生活する男性を批判したフレーズがありますが、すでに海外で成功した裕福な人は、有名ブランドを着てロゴを見せびらかすのではなく、エコ商品や地球に優しいモノを購入するのがステータスになってきています。
↑ザッカーバーグ:「生活に必要最低限の家で良い。」(Photo)
何かの本に書いてありましたが、ある社長さんが数年前、ベンツに乗って銀座などに現れると女の子がチヤホヤしてくれたそうですが、現在では全く相手にされず、逆に最新のロードバイクで銀座に現れると女の子の受けが良いそうです。
失業、ボーナスカットなど金融危機が経済に与えた打撃が大きいですが、何かプラス面があるとすれば、生きる意味や仕事をする意義を再度考えるチャンスを与えてくれたことなのかもしれません。
↑金融危機を経て21世紀の新しい価値観が誕生 (Photo)
高度成長期を経て、テレビや冷冷蔵庫、そして電話などがすべての家庭に行き渡りました。そして核家族化などを経て、電話やパソコン、そして車などがすべての「個人」に行き渡りつつあり、僕たちはすべての「物理的」なモノをいち個人として所有しています。
残念ながら、子供の頃に想像していた、車は空を飛んだり、鉄腕アトムが飛び回るような世界はまだまだ来そうにありませんが、21世紀は「物理的なモノ」を所有する時代から「心の満足」を求める時代にシフトしていくのではないでしょうか。
↑物理的なモノを所有する時代は終わった。(Photo)
同じ肉でもなぜ一人で食べるのと、山の中で友に達とバーベキューしながら食べるのとでは、味が違うのか?多分、その答えが21世紀型ライフスタイルの指針になっていきます。
草食系男子とともに、「どや顔」という言葉がありますが、人間が何か決意し、それを意思表示した顔を馬鹿にするようなニュアンスがあるのは恐らく日本だけではないでしょうか。
↑決意した顔を「どや顔」と笑うのは日本だけ (Photo)
そしてこの草食系男子やどや顔という言葉はメディアによって作られたことを忘れてはいけません。
恐らく日本には「21世紀の新しい価値観」を国民に気づかれたくない人達がいて、その一部の人達が草食系男子やどや顔などという言葉を作り、メディアを通じて洗脳しています。
人間らしい健全なライフスタイルや意思決定をした顔を「どや顔」と嘲笑い、古い産業を守るために税金をつぎ込む、何が日本を停滞させているのかはハッキリしませんが、一部の人の利益のために日本が衰退していくのはあまりにも悲しすぎます。