October 17, 2014
ボディ・ランゲージは全てを表す「21世紀の経営者なら絶対に写真では腕を組むな!」

初めて企業を訪問する時は事前にホームページをチェックしますが、実際に訪問しなくても、ホームページを見るだけで様々なことが分かってきます。

無名時代のジョブズを40人目の社員として採用したアタリ社の創業者、ノーラン・ブッシュネルはホームについて次のように述べています。


↑無名時代のジョブズの才能を見抜いたノーラン・ブッシュネル ( Pic by Flickr)

「いま、ある会社について詳しく知ろうと思えば、まず、ウェブサイトをチェックするだろう。ちっちゃなタブをクリックすると、会社そのものや採用予定のある仕事の紹介ページが表示される。これがつまらない。ちらっと見ただけで、ああ、ここで働くのは楽しくないだろうなと思ってしまう。」

「ふつうの社員が欲しいなら、ふつうの職場として会社を売り込むのもいいだろう。だが、創造的な社員が欲しいなら、こちらも創造性を見せなければならない。それなのに、そうする会社はほとんどない。大半はほかと違うことをしたがらず、そういう停滞の雰囲気がウェブサイトに表れている。」(ぼくがジョブズに教えたことP28)


↑会社の雰囲気が何となくサイトに表れる。(Red Bull)

インフォバーンの小林弘人さんは、「ウェブとはすなわち現実世界の未来図である」の中で、ウェブ上で起こったことはいずれ、現実の世界で起こると述べていますが、もしかすると企業のホームページが、その企業の未来図になっているのかもしれません。


↑Web上の出来事はいずれ現実になる。(Airbnb)

もちろん、サイトの構成は企業それぞれですが、最近個人的に気になるのが、企業の代表や役員が企業理念のページなどで、「腕を組んで」写っている写真です。

ハーバード大学の教授、Amy Cuddyさんによれば、ボディ・ランゲージはその人の感情を素直に表すもので、その人の仕草一つで様々ことが読み取れるそうですが、腕を組む仕草は相手にあまり良い印象を与えません。

様々なリサーチによれば、腕を組む仕草は基本的に議論を嫌う傾向にあり、自分自身で様々なことをコントロールしたいという欲求の表れで、腕を組むことで自分自身にバリア張るという感情を表しているそうです。


↑Amy Cuddyさん「ボディ・ランゲージはその人の感情を素直に表します。」(Pic by Flickr)

下記の画像を見ていただければ分かりますが、ボディ・ランゲージは顔の感情以上のもの表します。ある機関がリサーチを行い、グループを二つに分けて同じ講義を聞いてもらい、その後で講義の興味や理解度をチェックした結果が非常に興味深いです。

一つのグループは腕を組まず、リラックスした状態で、もう一つのグループは講義の間ずっと胸の辺りで腕を組んだままの状態で講義を聞いてもらいましたが、腕を組まなかったグループの方が約40%も講義に対しての理解度が高く、内容に興味を持った人達が多かったそうです。


↑顔の表情よりもボディ・ランゲージから読み取れることは多い。(Pic by buffersocial)

中には腕を組むのが癖になってしまい、腕を組んでいる状態が一番落ち着くという方もいますが、議論を好まない封鎖的な考え方が癖になっているため、腕を組んでいる状態が一番落ち着くのかもしれません。

20世紀の経営は欧米のマネをしていればよかったので、社内の意見を聞かず、幹部のトップダウン経営でもなんとかなったのかもしれません。

しかし、もうマネだけでは成長できず、独自で新しいことを作りださなければならない現在は、経営者だけの判断で会社を運営していくことは難しいのではないでしょうか。

事実、21 世紀になって急成長しているGoogleやFacebookの経営者が腕を組んでいるところはあまり見たことがありません。


↑腕を組んでいたら、クリエイティブな人は寄ってこないんじゃないかな。(Pic by Flickr)

恐ろしいもので、顔に現れないその人の本心がとっさの仕草に表れしまいます。事実かどうかは別として、社員の意見をしっかり聞く、と採用ページやホームページに記載している企業が多いですが、トップの身近な仕草が会社の本質を表しているケースも多いのではないでしょうか。

表情やテキストは何とかごまかせても、やはり本質はどこかに出てしまいます。

(Eye catch Pic by Flickr)

/DO_NOT_CROSSING_ARMS