アメリカの経済学者、マイケル・ハウスマンと研究チームがあるコールセンターを対処に行なった調査によれば、従業員がWebから仕事に応募する際に、グーグル・クローム、もしくはファイヤーフォックスのブラウザーを使っていた従業員は、そうでない従業員に比べて、15%長くその会社に勤務して、欠勤率も19%低かったそうです。
そして、次にその人たちの売上げ、顧客満足度、そして、電話の平均通話時間も合わせて調査したところ、クローム、もしくはファイヤー・フォックスのブラウザーを使っていた従業員の方が、売上が高かった上に、顧客の満足度も高く、さらに電話の通話時間も短いという調査結果になりました。
「たった、15%会社への在籍期間が長っただけ?」と思われるかもしれませんが、現在、コールセンターの離職率は45%を越えており、採用コストには多くのお金がかかることを考えれば、使っているブラウザーはその人を見分ける重要な指標になってくるでしょう。
現在、若手でビジネス界に大きな影響力を持つ、大学教授のアダム・グラントはこの調査から、クローム、もしくはファイヤー・フォックスのブラウザーを使っていた従業員の方が優れた成果を上げているのは、テクノロジーに詳しかったり、その他の知識やスキルが高かったわけではなく、ブラウザーを「どのように」入手したが、重要なポイントだと指摘します。
パソコンを買った時、ほぼすべてのパソコンにインターネット・エクスプローラー、もしくはサファリが最初からインストールされています。
しかし、クロームやファイヤー・フォックスは少し頭を使い、多少の手間をかけて、新たなブラウザーをダウンロードしなければならないため、これらを使用する人は今あるもの、最初から与えられたものを何の疑いもなく使うのではなく、自ら行動を起こして、より良いものを手に入れようとする習慣が身についているようです。
一日3食しっかり食べる、健康診断に行く、そして、スーツを着るなど、多くの人がインターネット・エクスプローラーをそのまま使うように、日々の日常を何の疑いもなく暮らしています。
「最低所得者層は一貫して、最高所得層よりも現状を維持する傾向がある。」という事実が、成功するためには、何をしなければならないかを日々思い出させてくれるようです。
参考: 「ORIGINALS 誰もが”人と違うこと”ができる時代」アダム グラント、三笠書房、2016年