November 5, 2014
ジャンク・コンテンツがあなたの脳を食い尽くす。

安くてカロリーが高い食品が工場で生産されるように、インターネット上でも内容が薄くユーザーが好みそうなコンテンツが増え、多くの企業がジャンク・コンテンツを配信しています。

数年前、クレイ・ジョンソン氏によって出版された「情報ダイエット」という本によれば、体が砂糖や塩分を好むように、私たちの脳も一般ウケしやすく、中身の薄いコンテンツを好む傾向にあり、このようなコンテンツを日々消費することによって、脳にどんどんダメージを与えているそうです。


↑ジャンク・コンテンツの甘い誘惑。

SNSはもちろんですが、最近では機械学習の性能も上がってきており、何もしなくてもジャンク・コンテンツがどんどん口の中に放り込まれています。

「もしあなたが食べたいものだけ食べて生きていけるなら、デザートしか食べないだろう。ジャーナリズムも同じことだ。彼らもユーザーが欲しがるデザートしか提供しない。」(クレイ・ジョンソン)

SNSや機械学習の機能はユーザーの好みや閲覧履歴などを元にして、ユーザーに必要な情報を提供していますが、ジャンク・フードばかり食べていると体がおかしくなるように、中身の薄いジャンク・コンテンツばかり消費していると、脳への刺激が少なく、考える力がどんどん停滞していくとジョンソン氏は指摘しています。


↑ジャンク・コンテンツは確実に考える力を失わせる。

肥満は世の中に食べ物が溢れているからではなく、食べ物の選び方に原因があるように、コンテンツが溢れていることを問題視するのではなく、情報をどう「消費する」かをまず第一に考えなければなりません。

平均的なアメリカ人は1日約11時間、何らかの形で時間を情報消費に使っており、とにかく情報社会に乗り遅れないように、何にでも「いいね!」を押したり、ニュースを常にチェックしていることが自分の力で物事を考える力をどんどん失わせています。

特に最近では情報を消費しただけで、すべてを理解したように話す、「情報デブ」も増えてきましたが、本当に重要な変化はニュースなどには書かれておらず、自分の細胞を通して学んだ経験からしか感じ取ることはできません。


↑「情報デブ」にならない唯一の方は、質の良い情報を見分ける力。

また、「○○な人はなぜ○○なのか?」という本ではなく、しっかりと証拠と立証に基づいた質の高い本を読んで読解力をつけ、ジャンク・コンテンツを見分ける力をつけていくことも大切なのではないでしょうか。

「時間がいちばん重要なんです。いざとなればお金はもっと手に入れることができる。食べ物だってそうだ。でも失った時間は二度と取り戻すことはできません。」(クレイ・ジョンソン)

政府は食べ物や水、そして空気の品質を厳しく管理していますが、「言論の自由」があるために情報統制をすることができません。

最近マサチューセッツ工科大学などでは「ジャーナリズムのハッカソン」と称して、ジャンク・コンテンツではなくオーガニックで体に良い情報を配信していこうという動きもあり、コンテンツを作る側も少しずつ意識を変えていかなければなりません。


↑オーガニックな情報を口にしよう。

正しい情報を見分けるスキルは、次の時代を生き抜きぬくために必要不可欠です。

ニュースで話題になる、消費税やTPPなど単発トピックについて議論する人たちはいても、「民主主義の拡張性が妨害されているのではないか?」という人たちがいないのは、まだまだインターネットは「情報を操作する側」の力の方が強い証拠なのかもしれません。

少し大げさかもしれませんが、「フォロー」や「いいね!」をまた一つ押すことが脳を衰退させていきます。

目からも、口からもオーガニックなものを摂取するように心がけましょう。

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