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すぐに行動できなくても、孫さんのように時代の大きな局面を理解しておくのはものすごく大事だと思います。
孫さんが自信を持って断言するように、日本がモノづくりで競争力を取り戻すことはほぼなく、アジアを中心とした第二次IT革命(モバイル)に滑り込みこむことが、日本が復活する最後のチャンスになるかもしれません。
日本が現在活気を失っている理由は、産業革命の末期にさしかかっており、成熟産業は人口が多く賃金が安い国にどんどん流れていってしまいます。孫さんは次のように述べています。
「自動車のエンジンの速度はここ10年で1.1倍しか速くなっていませんが、インターネットの通信速度は750倍、CPUの速度は500倍になっています。アジアを制するものが世界を制する。モバイルを制するものがインターネットを制する。もう1回だけ、最後のスタートラインの仕切り直しです。」
↑モバイル革命は日本に残された最後のチャンス。
歴史を振り返ってみると、産業革命はイギリスから始まり、アメリカに移って、それから戦後の日本に受け継がれていきました。第一次インターネット革命はアメリカから始まり、現在アジアにシフトしつつあります。
日本人がどんなに終電まで働こうが、筋肉の量でも人口の数でも他の国には敵いません。
「日本の現在の教育は暗記7割で、思考が3割です。僕はこのバランスを逆にすべきだと考えています。」(孫正義)
これは企業内でも同じことが言えるのではないでしょうか。現在、モノを安く早く作る、効率性重視の仕事が7割、創造性重視の仕事が3割のバランスを逆にすることで、一時的に売上は下がるのかもしれませんが、中期、長期的に考えれば、必ず新しい市場開拓に繋がります。
↑暗記と思考のバランスを逆にすべき。
以前、別の記事で書きましたが、忙しく世界を駆けまわるのも起業家の仕事の一つですが、美味しいコーヒーを飲みながらゆっくり頭を働かせるのも立派な起業家の仕事なのではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズは人間にしかできないクリエイティブなことにもっと時間を費やせるようにと、コンピューター開発を始めたと聞いたことがありますが、良くも悪くも人間には「生産性」よりも「創造性」が求められるようになりました。
日本に残された時間はそれほど長くはありません。