May 30, 2015
オーガニックフードを食べることは、世界で最もクールな反社会的行為。

最近50年の食の変化は、過去1万年の食の変化よりも大きいと言われ、儲け第一主義で人間の心を失った企業が、世界の食べ物を支配しようとしていますが、2050年までに世界の人口は90億人を超えると予想されており、今後、明らかに人間の数と食べ物のバランスが取れなくなることが予想されます。

人間の体は食べ物以外で作られることはないため、食料は何よりも大事なライフラインだということは、誰もが理解していることですが、日本人は情報に関してあまりにも無防備で、情報を多面的に分析したり、深く考える能力が著しく低下してしまっているように思います。


↑日本人は食に関して、深く考える能力が著しく低下している。 (Daniel Go/Flickr)

アメリカ政府を完全支配し、世界を巨大な権力で動かす、「ロックフェラー財閥」という組織がありますが、彼らは自分たちの権力を維持するために、増えすぎた人口を少しずつ減らしていこうと考えており(彼らの理想の人口は10億人)、現在、私たちの見えないところで、「人口が少しずつ、減っていくワナ」が仕掛けられいると、ジャーナリストである船瀬俊介さんは指摘しています。


↑権力者にとって、人口が増えることは都合が悪い。理想は10億人。

米国ミズーリ州に、遺伝子組み換え作物で世界90%の独占シェアを誇り、通称「バイオ化学モンスター」と呼ばれる、モンサントという会社がありますが、これはロックフェラー財閥の子会社で、彼らは遺伝子組み換え作物を世界中にばらまきながら、農家に圧力をかけて、何千、何万年と続いてきた「伝統農業」を破壊しようとしていると言われています。

モンサントは殺虫剤や除草剤なども作っていて、ベトナム戦争時には、あの悪名高き「枯葉剤」を作っていた会社でもありますが、すでにアメリカでは、モンサントの遺伝子組み換えを栽培している畑の近くで生活する子供たちの健康被害率が、明らかに高いことが問題になっています。


↑まだ多くの人が後遺症に苦しむ、ベトナム戦争の枯葉剤。 (A. Strakey/Flickr)

ブレット・ウィルコックス氏の「モンサントの嘘」という本によれば、1995年から2012年にかけて、モンサントのやり方を採用し、遺伝子組換えの作物を育てようとしたインド人の農民約27万人が、多額の負債を抱えて自殺してしまいました。

現在、日本で議論されているTPPに日本が参加すれば、間違いなくこのモンサントの遺伝子組み換え作物が日本に入ってくるでしょうし、モンサントが政府に圧力をかけ、「遺伝子組み換え作物」の表示が義務化されなくなれば、効率もよく、生産高も増えるという理由から、日本の農家も遺伝子組換え作物を作り始め、インド人の農民と同じ運命をたどる可能性も十分にありえます。

また、2008年に公開された「フード・インク」という映画の中で、権力者の言いなりになりながら、不健康な作物を育て続けるアメリカの農家の姿が描かれていますが、TPPに参加し、外国の力がどんどん日本に入ってくれば、日本の伝統農業も潰され、もしかすると、日本はその日の食事を求めて戦争を始めてしまうかもしれません。


↑TPP参加で、日本の食の安全は徹底的に攻撃される。

モンサントの脅威はもちろんのことですが、今後、人口と食料とバランスが崩れ、数十年後には肉がキャビアのような高級品になるとも言われており、未来の自分が口にする食べ物を企業や権力者に委ねるのか、それとも自分の意志で決めるのか、真剣に考えなければならない時期にさしかかっているのかもしれません。

ハンバーガーばかり食べながらプログラミングをし、日本に来日した際、マクドナルドの朝食メニューに大好物のフィレオフィッシュがなかったために、「朝でもフィレオを食べるためには(マクドナルド社を)買収するか!」とジョークを飛ばすほどのファーストフード好きであったビル・ゲイツでさえ、食生活を改めてベジタリアンになり、ツイッターの創業者エヴァン・ウィリアムズも、植物性の素材から肉を作り出す「Beyond Meat」という会社に投資しています。


↑ビル・ゲイツ「全員がベジタリアンになるのが理想だけど、肉をやめられない人は数多く存在する。」 (Pic:Gatesnote)

現在、イギリスではオーガニック・フードを食べたり、食べ物に気を使うことは、「世界でもっとも反社会的な行為」と言われているそうで、社会に反感を持つ人たちがトップ10の音楽ではなく、路上から生まれるパンク・ロックやインディーズの音楽を好んで聴くように、自分の口に入れるものに気を使うことは、最近の間違った効率化や行き過ぎた資本主義を見直すための、新たな価値観を生み出してくれるのではないでしょうか。

事実上、「子供に遺伝子組換えの作物を食べさせない。豊かな自然と食の安全を守りたい。」という強い意志があったヨーロッパの人たちは団結して行動を起こし、モンサントをヨーロッパから事実上撤退させました。


↑食べ物に気を使うことは「世界でもっとも反社会的な行為」 (Die Grünen Kärnten)

かつてアメリカはのどかな農地であふれていましたが、この50年で環境は激変し、今、農業を支配しているのは農民ではなく、想像を超えるほどの大きな巨大企業で、その裏で手を引くのはアメリカ政府まで自由自在に操作するロックフェラー財閥です。

繰り返しになりますが、TPPはまさに「トロイの木馬」であり、日本がTPPに参加すれば、日本の食の安全を権力者に売り渡わたし、モンサントが作る「腐らないトマト」、「二倍の速さで成長する怪物サケ」など、自然の法則に逆らった食品が一気に日本市場に入ってきます。


↑TPPはまさに「トロイの木馬」

クリエイターの高城剛氏も次のように述べています。

「(私が)中学生だった1970年代後半、まだオフィス用の大型コンピュータしかなかった時代に、秋葉原でポケコンと呼ばれるポケット・コンピュータに出会ったとき、“これからコンピュータは、個人のものになるだろう”とどこかで直感した。アップルのスティーブ・ジョブズもマイクロソフトのビル・ゲイツも、同じようなことを回顧録で話している。おそらく僕が今、多感な子供だったら、“きっとこれからはエネルギーも農業も個人化するだろうな”と直感で感じていたことだろう。」


↑きっとこれからはエネルギーも農業も個人が作り出す (Joi Ito/Flickr)

自分だけではなく、次の世代の健康を守るために何をするか、オーガニック・フードを食べるのは、別にオシャレなファッション感覚でも良いかもしれませんし、土いじりやベランダ栽培から始めて、楽しくなってきたらと郊外に畑を持つ人も必ず増えてくるのではないでしょうか。

「強く望むことが世代を超えて、いつしか形になるなら、 この命も無駄じゃない。」(Mr.Children/進化論)


↑次の世代に何かを引き継げるなら、この命も無駄じゃない。

生態系に即した農業に戻って、自然と肩を並べながら生命を維持するか、短期的な利益を求める企業のワナにハマり、生命を死滅させるのか、モノも財産もそのまま次の世代に引き継ぐことはできませんが、感情的なもので次の世代に残したいと思うものがあるのであれば、あなたの命もまだまだ無駄ではないのかもしれません。

参考:「モンサントの嘘(ブレット・ウィルコックス)」「モンスター食品が世界を食いつくす(船瀬俊介)」「日本の真相!(船瀬俊介)」「オーガニック革命(高城剛)」

/MONSANTO