20年以上前、マイクロソフトが「Slide Show Program」をリリースして以来、10億台以上のコンピューターにインストールされ、現在は1秒間に約350回のパワーポイント•プレゼンテーションが行われているそうです。
日本でもまだ多くの人がパワーポイントを使ってプレゼンテーションをしていますが、営業マンに大げさなグラフィックとテキスト一杯のスライドで話をされると少し疲れてしまいます。
↑もうどれだけ綺麗なパワーポイントを作っても、伝わらない。
現在、Facebook COO、シェリル・サンドバーグ氏やLinkedInのリード・ホフマン氏など、IT界を代表する人達がパワーポイントの使用を禁止しており、Amazonのベソス氏もパワーポイント禁止令を出している経営者の一人です。
「パワーポイントはプレゼンする側を楽にさせ、聞く側を混乱させる。」(ジェフ•ベソス)
TEDトークなどを見れば分かりますが、本当にプレゼンが上手い人はスライドなどに頼らず、自らのパフォーマンスで顧客にストーリーを伝え、会場の空気を作ります。
プレゼンに自信がない人たちはグラフィックやエフェクトに頼り、顧客の目を自分ではなくスライドに集中させようとするため、一番重要な感情の部分が伝わらないのではないでしょうか。
↑スライドではなくて、”私”を見て。(TED Conference by Flickr)
ロンドンの広告会社で働く、Ameliaさんは15年のキャリアで初めてスライドなしで、プレゼンした時のことを次のように話しています。
「何もないようで本当に怖かったわ。ギターの音も聞こえないし、後ろで歌ってくれるシンガーもいない。でもありのままの自分がそこにいたような気がしたの。」
観客やクライアントは、あなたがどのようなビジネスをしているか、つまりHowの部分ではなく、なぜあなたがそのビジネスをしているか、Whyの部分よって心が動きます。
↑「Why」の部分はパワポでは伝えられない。(Steve Jurvetson by Flickr)
少し前にキャスターの古舘伊知郎さんが「パワーポイント」という言葉を知らなかったことが話題になりましたが、聞く側を混乱させるテキストやグラフィックスは、もう21世紀には必要ないのかもしれません。
TEDトークのスピーカーやあのスティーブ・ジョブズでさえ、プレゼン前は個室にこもって念入りに練習を繰り返します。
これまでも、これからも徹夜で作ったプレゼン資料で人を感動させることは絶対にできないのではないでしょうか。