October 11, 2015
ビートルズ、ピカソ、そして岡本太郎の作品は人を不快にさせるからこそ、価値がある「ウェブでの炎上が増えるほど、世の中が多様化する。」

ブログやSNSが普及し、誰でも情報を作り出して、拡散し、それに対してコメントできる世の中は、まるで「オンライン」と「オフライン」という対極な世界をPCやスマホという機械を使って、行ったり、来たりしているようで、何とも不思議な感じがしますが、その反面、インターネットというものは、人々の欲望に限りなく忠実なメディアのような気がします。

なぜなら、インターネットの両端にいるのは、豊かな感性を持った人間であり、話題になるのは、著名人のブログや儲け話、そしてエロティックな分野であって、的を得た真面目で堅いコンテンツを提供しても相手にされませんし、正しいことを言おうとすれば炎上、企業がある程度のお金をかけて、Web上でマーケティングやプロモーションに力を入れても、本当にマネタイズできている企業など一握りしかないのが現状です。(1)


↑インターネットの両端にいるのは、豊かな感性を持った人間。(droidcon Global)

例えば、お金がかかっている雑誌の記事を読もうが、Webの記事を読もうが、人間が消費する時間の「1分」は、同じ1分で、「少年ジャンプ」は一週間に一冊出すために、ものすごい労力をかけて作っているのに対して、インターネットの世界では、その苦労を24時間、365日、続けなければならず、さらにジャンプのように一冊200円という単純なビジネスモデルではないため、インターネットというメディアは、作り手にとって、試練の場であることは間違いありません。(2)


↑ウェブのメディアは、少年ジャンプの苦労を24時間、365日続けなければならない。(ysishikawa)

ウェブのメディアと聞くと、「低コストでスピード重視」というイメージがありますが、アメリカのハフィントンポストで雇用されている正社員の中には、徹底的にリサーチをすることで、月に1本しか記事を書かないジャーナリストもおり、2012年に米国で最も権威のある賞の一つであるピューリッツァー賞を受賞したハフポスト記者、デビッド・ウッド氏は、8ヶ月間で10本の記事しか書かず、「8ヶ月で10本は贅沢なのでは?」という問いに対して、ハフポスト共同創業者、アリ アナ・ハフィントンは次のように述べています。(3)

「連載の取材のためにはデビッドはあちこちへ出張しなけれならなかったし、 膨大な下調べもしなければならなかったのです。 深く掘り下げたストーリーを書くためには、これぐらい取材しなければ駄目です。」


↑リサーチの時間と、記事のクオリティーを考えれば、ウェブでも8ヶ月で10本の記事は妥当。(Exchanges Photos)

また紙は理性、ウェブは感性と言われるように、ウェブメディアにおいて重要なのは、文章力ではなく、書き手の目線や知見の面白さで、東洋経済オンラインの編集長も務めた、佐々木紀彦さんは次のように述べています。(4)

「これから求められる競争とは、読者に向いた競争です。つまり、誰がもっとも読者志向を徹底できるかです。それは、読者に迎合した記事、手っ取り早くページビュー(PV)を稼げる記事 ばかりを書くという意味ではまったくありません。”PVなんてどうでもいい”とひとりよがりに 陥るのでも、”この軽いネタなら読者は食いつくだろう”と読者を小バカにするのでもなく、”この大事なテーマを、どう料理すれば読者にうまく届くだろうか”を考え抜いた上で、どう面白く打ち出せるかの競争です。」


↑紙は理性、ウェブは感性のメディア。(Andréanne Germain)

ベルリンの壁やソ連が崩壊し、一つの大きな物語が終わった1990年以降、世界ではグローバル経済から生み出された「物語なき世界」が登場しましたが、その中で多くの若者は、自分自身が、「何のために生きているのか」という人生の意味を、世の中に問わなければならなくなりました。(5)

そういった時代の変化の中で、コンテンツを作る側も、ただ事実を伝えるだけでは、ユーザーを感化することはできませんし、そのコンテンツの意味や社会的な文脈を解き明かしてくれる、池上彰さんのような能力が必要になってきますが、今後は、単なる頭で考えたマーケティングみたいなものではなくて、個々の編集者の「熱さ」みたいなものが今まで以上に重要になってくるのかもしれません。(6)


↑二流以下のライターや記者の価値が一気に下がって、編集者の価値が上がる。(TEDxKyoto)

一方、新しいことをやったり、空気を読まない発言をすれば、現実の世界であれ、ウェブの世界であれ、褒められたり、批判されたりするのは当たり前ですが、インターネットというレバレッジがかかると、その効力は何百倍、何千倍にもなり、今まで「ないことになっていたもの(つまり、一般人の良い声や悪い声)」までがスクリーンを通じて見えるようになってきます。

矢沢永吉の「成りあがり」の構成、編集を担当したことでも知られる、糸井重里さんも著書「インターネット的」の中で、「人類は、ついにパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。」と述べていますが、ビルゲイツもテクノロジーの進化には、いつも問題がつきまとうと断言している通り、インターネットという新しいインフラは、まだまだ問題が多いツールであることは間違いありません。(7)


↑インターネットの普及によって、今まで「ないことになっていた声」が一気に溢れ出す。(Michael Hensmann)

例えば、最近よく聞く「炎上」(ブログなどのコメント欄が、ネガティブなコメントで埋め尽くされ、特定の企業や個人がWebで攻撃されること)という言葉ですが、これは「今まで、ないことになっていたもの」が世の中に出てきた良い例で、炎上を何度か経験しているブロガーのイケダハヤトさんによれば、攻撃されている最中は、まともな理性は吹き飛び、感情が暴走している状態になって、食欲も減り、眠れない夜が続くのだそうです。(8)

フェイスブックなどの実名が原則のサイトであっても、直接相手の顔が見えないことは、攻撃する心理的ハードルをぐっと低くすることは確かですが、実際、ツイッターや2ちゃんねるにネガティブなコメントを書き込み、何かを炎上させようとする人は、20~30代の世の中に騙された人たちだと、フリーライターの中川淳一郎さんは述べています。(9)


↑直接、相手の顔が見えないことは、心理的ハードルをぐっと低くする。(Brian Klug)

データを見てみると、1997年の35歳には年収500~600万台の人たちが最も多く、全体の28%でしたが、2014年のデータでは、35歳で年収300~400万円台の人も多く、まだまだ給料が高い50代、60代の人たちに対するストレスが溜まっているようにも見えます。(10)

そういった意味で、匿名で好きなことを書き込めるインターネットは、給料は毎年上がり続けることが前提だと信じていた若い人たちのストレスを解消するためのツールとして持ってこいだったのかもしれませんし、面白いことに日本の一人あたりのGDPの下落と日本のネットユーザーの増加は反比例しています。 (11)

中には匿名で、朝の8時から夜の23時までぶっ続けでネガティブ・コメントを書き込み、1日で5538回も書き込んだユーザーがいたそうですが、ジャーナリストの上杉隆氏さんも、以前、靖国神社のことでブログで書いたら炎上し、700件以上のコメントがついてしまったそうですが、IPアドレスをチェックしてみると、その700件のコメントを書いたのはたった4人のユーザーだったそうです。(12) (13)


↑捨てアイコンでひたすらコメントするのは、社会に騙された人たちなのかも。(togetter)

このような背景を理解すれば、明らかにレベルの低い、コンビニの冷凍庫に入って炎上などの一部のものを除けば、企業も個人も「本当のことを言って炎上=悪いこと」という概念は少なくなると思いますし、フェイスブックやニュースピックスなど実名でどんどん批判してくる人も中にいますが、仮にいくつかの発言が、ユーザーを不快にさせてしまったのであれば、「不快にさせた」ことだけを謝ればよいのであって、自分たちが自信を持って作ったサービスや意見に関しては謝る必要などないように思います。

ワンピースの登場人物、海軍の藤虎は、過ちを隠そうとする上司に対して、「不備を認めたくらいで地に落ちる信頼など元々ねェも同じだ。」と述べましたが、確かにその通りなのかもしれません。


↑「不快にさせた」ことだけを謝ればよいのではないか。

小説家の村上春樹も多くの文芸批評家から嫌われ、批判されてきた経緯を次のように述べています。(14)

「つまり僕が書くものは、出来不出来にあまり関係なく、少なからぬ数の人々を終始“不快な気持ちにさせ続けてきた”ということになりそうです。(中略) 僕は誰かに批判されるたびに、できるだけ前向きにそう考えるように努めてきました。生ぬるいありきたりの反応しか呼び起こせないより、たとえネガティブであれ、しっかりした反応を引き出した方がいいじゃないか、と。」

「ポーランドの詩人ズビグニェフ・ヘルベルトは言っています。“源泉にたどり着くには流れに逆らって泳がなければならない。流れに乗って下っていくのはゴミだけだ”と。なかなか勇気づけられる言葉ですね。」


↑例え、ネガティブであれ、しっかりとした反応を引き出したほうがいい。(choo chin nian)

また、アメリカのベストセラー作家として知られ、本を書くたびに読者の意見が大きく別れることで有名なマルコム・グラッドウェルも次のように述べています。(15)

「優れた文章かどうかは、読む者を引きずりこみ、 何か考えさせ、誰かの頭の中を〝垣間見せる〟 力によって決まる ─ ─ たとえ読んだあとに、その誰かの頭の中があまり居たくない場所だったとしても、だ。」


↑優れた文章かどうか、良い悪いに関わらず、「何を考えさせるか」によって決まる。(kris krüg)

ブロガーのイケダハヤトさんは、本音を語り炎上することで、二流以下の人たちが自分の周りから離れ、社会がどんどん多様化していると著書に書いていますが、ピカソの絵やビートルズの音楽も最初は不快な思いをさせたと言いますし、日本を代表する芸術家、岡本太郎も「やな感じ!」と言われるからこそ、絵をみせる甲斐があるとして次のように述べています。(16) (17)

「ただ不愉快なものならば、そんなに凝視しているはずがない。ちらりと見て、顔をそむけ行ってしまう。いや、見もしないだろう。(中略) “まことに結構なお作品” なんて言われたら、がっかりだ。こちらは自分の生きているアカシをつき出している。人間のほんとうに燃えている生命が、物として、対象になって目の前にあらわれてくれば、それは決して単にほほ笑ましいものではない。 心地よく、いい感じであるはずはない。むしろ、いやな感じ。いやったらしく、ぐんと迫ってくるものなのだ。そうでなくてはならないとぼくは思っている。 」


↑人間の燃える生命が目の前に現れたら、それは単に微笑ましいものではない。(m-louis .®)

ビジョナリー・カンパニーの著者、ジム・コリンズが言うように、本当の知性とは二つの相反する考え方を同時に受け入れながら、それぞれの機能を発揮させる能力であるならば、ある意味、クリエティブの業界においては、「ただショックを与える」という行為は正当化されているような気がしますし、劇作家ジョージ・ バーナード・ショーも、「合理的な人間は、自分を世界に合わせる。非合理的な人間は、あくまで世界を自分に合わせようとする。したがってあらゆる進歩は非合理的な人間にかかっている。」と述べています。(18) (19)


↑クリエイティブな業界において、「ただショックを与える」は正当化される。(Kentaro Ohno)

ただ、インターネットの発達により情報が事実上、無料になり、従来の新聞社や雑誌社が経営に苦しむ中で、人々が毎日、消費する情報の質がどんどん下がっているのは確かで、CNNワールド・ワイドのCEO、ジェフ・ズッカー氏は、「今は、全員がブログを持ち、全員がジャーナリストなのです。」と言いますが、本当に良質なジャーナリストは限られた数しかいませんし、スティーブ・ジョブズも亡くなる少し前に、次のように述べていました。(20)(21)

「アメリカがブロガーだけの世界に成り下がってもいいのでしょうか。もちろん答えはノーです。 報道機関が新たなニュースの表現方法を見つけ出し、何としてでもこれまで通りの取材・編集活動を続けられるようにしなければなりません。」


↑しっかりとした民主主義を維持するためには、ブロガーだけでは十分ではない。(Patrick Gibson)

マネタイズに関して、すぐに思いつくのが広告ですが、メディア業界には、「1:10:100」の法則というものがあり、これは紙で100万円だった広告が、オンラインでは10万円、モバイルでは1万円になってしまうという意味で、従来のバナー広告やアドセンスだけでウェブメディアを成り立たせるのは難しいのは確かです。(22)

福澤諭吉は慶応大学の創設者として知られていますが、当時のメディア産業である「時事新報」の立ち上げにも力を入れ、わずか数年で「日本一の時事新報」と呼ばれるようになりました。福澤諭吉が何よりも力も入れたのは「稼ぎ」の部分で、当時は販売収入しか収益がなかったところに、広告ビジネスを導入し、美人コンテストや漫画ジャーナリズムなど、当時は革新的であったアイディアにどんどん挑戦していきました。


↑メディアの「稼ぎ」に力を入れた福澤諭吉。(Naoya Fujii)

経済的な自立が真のジャーナリズムを守ると考えていた福澤諭吉は、最初の数年、赤字が続くと、社長を任せていた中上川に対して、「こんなことでは、お前さんを大蔵にすれば政府はすぐに破綻だ。大いに儲からなくとも収支だけは償うようにしたいものだ。」と激を飛ばしたと言います。(23)

イーロン・マスクはインターネットに詳しい賢い人が多すぎるから、イノベーションが起こらないと言いますが、キューレイション・メディアなども同じようなものが増えてくれば、その価値はどんどん下がっていきますし、社会にとって価値のある生産とは何かを常に問いかけるペイパルの元CEO、ピーター・ティールに言わせれば、インターネットなど、「巨大な商人の巣窟」でしかなく、本質的には何も生み出していないとして、「空飛ぶ車が欲しかったのに、実際に手に入れたのは140文字だった。」とツイッターを揶揄しているところからも、オンライン上だけではなく、しっかりと現実の世界も含めて収益を上げていく方法を考えていく必要があるのかもしれません。(24) (25)


↑インターネットに詳しい人が多すぎるから、イノベーションが起こらない。(OnInnovation)

ウェブ上で、良いコンテンツを作ったり、本当の意味で良質なジャーナリズムを成立させるためには、非常にコストがかかるため、どこかでしっかりと経済的に独立できる仕組みを作らなければならず、まだ具体的にどんなやり方がいいのかは分かりませんが、ジョブズはiTuneの成功から得た教訓として、コンテンツにお金を払う用意がある人は大勢いるため、値段を徹底的に安くして、できるだけ多くの人にコンテンツを届けることを意識しなければならないと述べています。(26)


↑ジョブズ「コンテンツにお金を払う用意のある人は大勢いる。」

常にユーモアのセンスは、時代の文化の熟成度よりも先を行っているものであり、それぞれの分野の専門家は、こうすべきだ、ああすべきだと言いますが、専門家の限界を乗り越えるのは、素人のほんの少し勇気であることが多く、「クリエイティブなショック」を与えることは、例え一部の人の不快な気持ちにさせたとしても、長期的に見れば世の中がより良い方向に向かうのではないでしょうか。

遥か昔、人類の祖先である原始人は、生き残るために火を起こす技術を発明し、火で焼いた肉の栄養が、人類の脳を驚異的な速度で進化させたそうですが、それから30万年後、人類は新しいSNSというツールの中で「炎上」という新しい火を生み出し、30万年前とは少し違った炎が人間の脳を刺激し続けています。(27)


↑30万年前も、現在も、炎は人間の頭を刺激し続ける。(Paul Chaloner)

結局、メディアのマネタイズにしても、民主主義を守る正当なジャーナリズムにしても、「アテンション・エコノミー(注目・関心が価値になる経済)」の中では、様々な意味で「燃え続ける」ことが一番の経済価値になってくることは確かで、そういった意味では、30万年前も、今も、本当に大切なものは大して変わっていないのかもしれません。

※主な参考

1.(メディアのリアル/吉田正樹) Kindle P362 2.(メディアのリアル/吉田正樹) Kindle P461 3.(メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃/牧野洋) Kindle P206 4. (5年後、メディアは稼げるか/佐々木 紀彦) Kindle P1758 5. (ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか/香山リカ) Kindle P 854 6.(インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ/小林弘人・柳瀬博一) P43、P140 7.(インターネット的/糸井 重里) Kindle P1981 8.(なぜ僕は「炎上」を恐れないのか 年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術/イケダハヤト) Kindle P291 9. (ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」/中川 淳一郎) P70〜P73 10.平均年収/生涯賃金データ2014/転職サービスDODA http://doda.jp/guide/heikin/2014/age/ 11. (ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」/中川 淳一郎) P70〜P73 12. (ウェブを炎上させるイタい人たち-面妖なネット原理主義者の「いなし方」/中川 淳一郎)  P78 13.(インターネットは永遠にリアル社会を超えられない/古谷経衡) Kindle P752 14.(職業としての小説家/村上春樹) P94-95 15.(犬は何を見たのか/マルコム・グラッドウェル) Kindle P111 16.(なぜ僕は「炎上」を恐れないのか 年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術/イケダハヤト) KindleP380, P1669 17. (自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか/ 岡本太郎) Kindle 1502、Kindle 1509 18.(ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則/ジム・コリンズ・ジェリー・I. ポラス)P1133 19.(逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密/マルコム・グラッドウェル) Kindle P1303 20.(メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃/牧野洋) Kindle 1377 21. (「炎上」と「拡散」の考現学――なぜネット空間で情報は変容するのか/小峯 隆生) Kindle P2014 22.(5年後、メディアは稼げるか/佐々木 紀彦) Kindle 755 23. (新聞人 福澤諭吉に学ぶ―現代に生きる『時事新報』/鈴木 隆敏) P164 24.(イーロン・マスク 未来を創る男/アシュリー・バンス) Kindle P187 25. (〈未来〉のつくり方 シリコンバレーの航海する精神/池田純一) Kindle 839 26. (メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃/牧野洋) Kindle 1389 27.  (「炎上」と「拡散」の考現学――なぜネット空間で情報は変容するのか/小峯 隆生) Kindle P6-P15

Eye Catch Pic by minoir

/ON_FIRE