September 2, 2014
ザッカーバーグ、ゲイツ、ジョブズ「本当に信じているものがあるなら、時には法律なんか平気で犯せ!」

あるキューレイションサイトが引用先を明記し忘れた問題で、少し話題になっていますが、引用先がどうとか言うより、最終的にその会社のビジョンがどこにあったのか?という所をもっと深く考えるべきではないかと思います。

自らコンテンツを作るのではなく、見せ方や紹介の仕方でブランディングしていく、キューレイション・メディアはこの情報爆発時代には必要不可欠なものですが、結局どれだけすごい仕組みを考えても、そのサイトの「どこに時間を使っているか」が最終的な付加価値になってくるのではないでしょうか。


↑キューレイション・メディアは不可欠 (Photo)

例えば、アメリカのキューレイションサイト、UPWORTHYはひとつの記事をアップするために最低25個のタイトルを考えて、どれが一番ユーザーにクリックされやすいかを社内で話しあってから、記事をリリースしており、「タイトルを考える」ことにものすごい時間を使っています。


↑UPWORTHY:ひとつのコンテンツに対して最低25個のタイトルを考える。(Photo)

日本語に翻訳されない素晴らしいコンテンツは数多くありますし、許可を取らないことで問題が出てくることも考えられますが、「◯◯でいるために成功者が心がけている10のこと」というタイトルでは、創造性はあまり感じられませんし、「翻訳するだけ」のことがそれほど価値を提供しているとは思えません。

海外のコンテンツでも、もの凄い時間をかけて探しているのであれば、それが「価値」になりますが、海外でバスっている記事をただ翻訳するだけではそれほど価値を提供しているとは言えないのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、許可を取らずに記事を引用したことが問題なのではなく、「どこに価値を提供していたか」に焦点が当てられるべきです。


↑海外の流行っている記事を翻訳するだけでは価値を提供しているとは言えない。

マーク・ザッカーバーグはマサチューセッツ州の法律を犯してハーバード大学のネットーワークにアクセスしたことで、Facebookを創りましたし、ビル・ゲイツは当時一日数時間しか使えなかった大学のコンピュータをハッキングして、無制限に使えるようにし、マイクロソフトの開発に没頭しました。

スティーブ・ジョブズも同じく電話会社のシステムをハッキングし、その機材をBlue Boxとして販売した後に、アップルを創業しました。


↑僕たちの方がそのデータを有効に使える (Photo)

昨年、わずか26歳で亡くなった天才プログラマー、アーロン・シュルツ氏に至っては、世界中の人達が正式なアカデミック・ジャーナル(公式な論文)にアクセスできるようにと、マサチューセッツ工科大学のデータベースに違法にアクセスし、一億円以上の罰金、そして50年以上の懲役の罪に問われ、裁判の最中に自殺してしまいました。


↑アーロン・シュルツ氏:ルールよりも、常に世の中に与えられる価値について考えた。(Photo)

Facebookのように、例え法律的にグレーな部分があっても、本当に価値を提供していて、取って変わるサービスが代わりになければ、政府やメディアに目を付けられてもユーザーが守ってくれるのではないでしょうか。

「うわー、やっぱりFacebookって大学のネットーワークに違法アクセスしてたんだ。法律犯してるし、もうFacebookを使うのを辞めよう。」なんてツイートが拡散しているのは想像できません。


↑ユーザーは味方。敵は政府と力を独占しようとする一部の人達  (Photo)

もし、サービスの不正が発覚して、ユーザーが離れ始めたら、大した価値を提供していなかったということなのかもしれません。

欧米ではお互いオンライン上でコンテンツの著作権を認め合う、「Creative Common」の動きも活発になってきています。以前の記事でも触れましたが、スティーブ・ジョブズは人間にしかできないクリエイティブなことにもっと時間を費やせるようにと、コンピューター開発を始めたそうです。


↑物と物を組み合わて、初めて創造性が生まれる。(Photo)

リリース直後に◯◯PV達成などとよくリリースされますが、いかにも物事を大きく見せようとする、スタートアップ企業の悪い例のようにも思います。

Webサービスを創るにしても、どこでテクノロジーの力を借りてラクをし、どこに創造性を発揮しているのか、ユーザーはいつも注意深く観察しているのではないでしょうか。

ユーザーを味方につけ、時には法律も平気で犯すぐらいのモチベーションがなければ、世の中なんて変えられません。

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