過去、数十年間、テレビや雑誌で「地球に優しい」、「弱酸性」、「植物エキス配合」、「驚きの白さ」、「無添加」、「オーガニック・コスメ」などといった、CMや広告などを目にしない日はありません。
世の中で売られている化粧品や洗剤、そしてボディーシャンプーなどは、人間の皮膚を刺激し、人間が本来持っている美しさや細胞の活性力を急激に衰えさせるものですが、消費者のことよりも利益を優先させる企業の行き過ぎた仕組みが、本来消費者に必要ない商品を次々と作り上げ、そこにCMと広告をバンバン流してマインドコントロールすることで、利益を上げ続けています。(1)
↑消費者のことよりも、まず利益。(David Levitz)
ビジネスの世界には、「必要のないものを売らなければならない」という鉄則があり、例えば、塩や醤油は必需品であるため、広告などはほとんど見かけませんが、サプリメント、化粧品、医薬品、そして洗剤などは生活の必需品ではないため、広告を出さなければ売れず、例え生活に必要のないものでも、毎日毎日CMを繰り返し流されると、多くの消費者は、それらが便利なものだと勘違いして、ついつい買ってしまいます。(2)
↑全部、必要のないモノを買わせるためのマーケティング。
例えば、現在1900万人の日本人が薄毛に悩んでいると言われ、もちろん、食生活の変化やストレスの影響もあるとは思いますが、薄毛の一番の原因はシャンプーだと言われており、シャンプーに入っている40種類以上の化学物質が毎日、毎日、10万個もの毛穴から入り込み、毛根を傷めつけています。(3)
シャンプーやリンスを開封して何年経っても、腐ったり、カビが生えたりしないのは、当然、防腐剤が入っているからであり、この強力な防腐剤が、私たちの頭皮を雑菌やカビから守ってくれる常在菌を殺してしまい、さらにシャンプーには発がんや不妊などの様々なリスクがあると言われており、医師の宇津木 龍一さんは、今やシャンプーに害があることは、疑いようのない医学的な事実だと述べています。(4)
↑もうシャンプーが薄毛の原因になるのは、疑いようのない医学的事実。(Kate Sumbler)
人間の体には、しっかりとした防衛能力が備わっているため、シャンプーをしても、ある一定の量までは持ちこたえられるかもしれませんが、シャンプーを毎日2分間、10年、20年と続ければ、体の防衛機能も限界に達してしまい、それに加えて、シャンプー以上に危険だと言われているトリートメントの化学物質を、洗い流してはもったいないからと、すすぐだけにしているため、有害成分が常に顔に触れ、肌が炎症を起こすことも十分に考えられるそうです。(5)
↑毎日たった2分でも、10年、20年続けていたら、人間の防衛能力も麻痺する。(Stuart Conner)
昭和40年代にシャンプーのCMがバンバン流れ、現代人のシャンプー使用率はほぼ100%にまで普及しましたが、頭皮や毛髪は、自然界にあるごく普通の水で洗えば、汚れやニオイはキレイに落ちるようにできており、むしろシャンプーを使わないほうが、従来、日本人が美しいと考えていた「カラスの濡れ羽色」のような自然な光沢を放つ髪を手に入れることができますし、髪が短いのであれば、ドライヤーすら使う必要はないそうです。
↑本当は必要ないシャンプーを続けさせるために、たえずCMを流し続ける。
化粧品はどうでしょうか?男性は薄毛に悩みますが、女性の落ち込みは、有名な病院ではなく、そこらの美容院で治ると言われ、世界一化粧品を消費すると言われる日本人の化粧品市場はどんどん伸び続けていますが、短期的な美白の代償として、女性の肌は年々弱くなってきており、最近では、皮膚のバリアが壊れ、石鹸で顔を洗うことができないという人までいると言います。(6)
人間の肌はもともと、自ら潤う天然の保温力を持っていますが、最近の化粧水はどんどん皮膚に悪い方に進化しており、皮膚のバリアを壊すメリットは完全に無視し、界面活性剤などを混入することによって、心地さえよければよいという明らかに間違った方向に向かっています。
↑年々、女性の肌は弱くなっている。(Maria Morri)
化粧品メーカーは以前まで、アレルギーを起こす可能性がある成分だけをしっかり表示すればよかったのですが、2001年4月に薬事法が改正され、化粧品のすべての成分表示が義務づけられました。
しかし、化粧品などの成分表を見たところで、一部の専門家しか理解できませんし、「成分がすべて表示されているから安心。」というどころか、成分がすべて表示されたことによって、化粧品を買うことはすべて消費者の自己責任ということになってしまいました。(7)
もし、消費者に成分を知る大切さを伝えたいのであれば、国が化粧品成分の毒性や危険性についてしっかり説明すべきだと思いますが、そんなことは当然しませんし、それどころか、2001年の薬事法の改正によって、一部制限のあるものを除き、化粧品の製造にはどんな成分でも配合できるようになっため、知識がない素人でも化粧品を作れるようになってしまいました。(8)
↑明記された成分は、一般人が見ても全く理解できない。
化粧品の原価が驚くほど安いのはよく知られていますが、例えば、5,000円のクリームの原価は100円〜200円ぐらい、3,000円の口紅の原価は450円くらいで、そのうち300円が容器代、中身が150円なため、2001年の薬事法の改正後、家電メーカーや服飾メーカーなど様々な業界の人たちが一気に化粧品業界に参入し始めました。(9)
もともと日本は、海外に比べて、化粧品の規制が高く、海外の化粧品メーカーが日本に進出することは難しいものでしたが、2001年に規制がゆるくなったため、海外の化粧品メーカーもどんどん日本に進出し始め、「ウソをつく化粧品」の著者、小澤貴子さんは、政府は化粧品成分の安全性を確認せず、使用する本人の自己責任に委ねたため、国は事実上、「消費者を守る責任を放棄した。」と述べています。(10)
↑国は事実上、消費者を守る責任を放棄した。(Justin C)
オーガニックなどの自然食品は、粘膜から吸収する「食べ物」であるため存在しますが、基本的にオーガニック化粧品など存在しませんし、化粧品は肌に塗るもので、肌から栄養を吸収するなんてありえません。小澤貴子さんによれば、肌のバリアを壊さずに、生きている肌に栄養を届けたいのであれば、体内から心臓というポンプで、血液にのせて、皮膚に届けるしかないそうです。(11)
実際、いくらCMや宣伝をしても、自分が思った感じと違ったり、見える形で肌が悪化してくれば、消費者も美容液などの使用を控えるかもしれませんが、一時的にはそれだけの効果はあり、消費者が洗脳され続ける理由は、その一時的効果が消費者の実感とぴったり一致するからだと言います。(12)
↑一時的な効果が、消費者を洗脳し続ける。
「人間の肌は弱酸性だから、洗顔料も同じ弱酸性がよい」、「赤ちゃんの肌も洗える」、「植物エキス配合」などと、いかにも信じてしまいそうなフレーズですが、長期的にキレイになるためには、当然、睡眠、健康、そして運動が一番大切であり、美しい肌を保つためには、水洗顔だけのケアに徹底して、肌がもつ従来の自己回復力にゆだねるのが一番良いと言われています。(12)
スッピン美人になると、どこのファンデーションをつけているか、と聞かれるようになると言います。化粧美人には化粧美が、スッピン美人には素肌美があり、どちらが上ということはありませんが、年齢を重ねるにつれて、素肌美人の方が肌に品格を感じるという人が多くなってくるのかもしれません。(13)
↑世の中に水で洗い流せない汚れはない。(Mick C)
また女性たちの間では、年齢に関係なく髪を染めていない人の方が少ないくらいですが、髪を染めることは、発がん性だけではなく、頭皮にアレルギーを起こすため、気軽なファッション感覚でも、健康と引き換えに行われていることはしっかりと肝に銘じておくべきかもしれません。
髪を染めることは、頭皮や毛根だけではなく、肌にまで及び、髪を染める強烈な化学物質は2ヶ月間、頭皮や髪にとどまるため、髪を洗うたびに強烈な化学物質が顔や体に流れ落ち、肌を痛めつけます。現代の人は、シャンプーやトリートメント、そして髪を染める強烈な化学物質が体にまとわりついているため、50年前の人よりも背中が汚くなっているそうです。(14)
↑ファッション感覚で髪を染めることが、自分の健康を犠牲にして行われていることを認識すべき。
もっと私たちの見近にあるものはどうでしょうか?
薬用ボディーシャンプーで体を洗うことで、病原菌から皮膚を守ってくれる常在菌が殺されてしまい、体を守ってくれるバリアが無くなってしまいますし、薬用歯磨き粉をつけて歯を磨くことで、口内を病原菌から守ってくれる300種類の常在菌を殺してしまうため、歯を磨けば、磨くほど虫歯になりやすくなってしまいます。
歯磨き粉に含まれている合成界面活性剤は、自然の環境で非常に分解されにくいため、一度、皮膚組織や粘膜組織を破って体内に侵入すると、さらに深く侵入し続け、ついには内臓組織まで達しますし、「歯ブラシの届きにくい所まで99.9%殺菌」のCMでおなじみの「リステリン」に含まれるサリチル酸メチルを2%含んだ餌をネズミに食べさせたところ、49週間ですべてが死亡しました。(15)
歯周病と虫歯の予防には、歯磨き粉のついていない歯ブラシで、丁寧にブラッシングすることが大切で、日本茶には自然の抗菌物質であるカテキンが含まれているため、食後にお茶でグチュグチュと口をすすぐ方が、歯磨きをするよりも効果的なのだといいます。(16)
↑すべて歯磨き粉をつけて、歯を磨かせ続けるための洗脳。
消臭剤やハンドソープ、そしてファブリーズなど、行き過ぎた清潔志向がCMや広告によって作り出され、今や日本人は世界で一番キレイ好きな民族とも言われていますが、私たちの免疫力は、ある一定のカビやウイルスと常に接することで維持されており、カビやウイルスが私たちの周りからいなくなれば、免疫力はどんどん低下していってしまいます。(17)
外から帰ったら水で手を洗えば十分ですし、実際、キレイ好きで、無菌状態の家庭で育てられた子供よりも、少し汚いぐらいの環境で育てられた子供の方がかえって健康に強く育ち、これは医学的に考えても、生まれた直後の赤ちゃんは免疫が未発達で、3歳ぐらいまでに不潔なものにさらさなければ、十分な抗体を獲得することができません。(18)
↑異常なまでの健康志向が、人間の免疫力をどんどん低下させる。
このように、多くの企業は本来消費者にとって必要ないものを次々と作り、それにCMや広告をバンバン出して、消費者を洗脳することで利益を上げ続けており、消費者の健康は二の次、とにかく売れればよいという売上至上主義に走り過ぎています。(19)
その結果、消費者は必要のない物を買わされて、健康を害し、さらには環境汚染を増やすという悪循環にハマってしまっていますが、結局得をするのは企業だけだと考えると、そもそも資本主義の仕組み自体が機能しなくなってきているのかもしれません。
↑行き過ぎた資本主義「必要のないものを、CMや広告でバンバン売りつける。」
もう何十年もの間、歯を磨く時は歯磨き粉、頭を洗う時はシャンプー、外から帰ったらまずハンドソープをつけて手を洗うなど、様々な方法で私たちは洗脳されているため、急にそれを止めてしまうと、少し違和感を感じるかもしれません。
しかし、これらのほとんどは自然界に存在しない人工的なもので作られたもので、いくらオーガニックや無添加という言葉だけを並べても、結局は体に害であることは間違いありませんし、私たちは企業の都合の良いように洗脳されて、毎日お金を払い続けていることにそろそろ疑問を持ってもよいのではないでしょうか。
もういい加減、ムダなものにお金を払い続けるのはやめましょう。もっと有効なお金の使い道は、いくらでもあるはずなのですから。
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