January 14, 2017
スターバックスCEOが毎朝4:30に起きる理由「21世紀の歴史は朝に作られる。」

illustration by リーディング&カンパニー

あなたは平日何時に起きるだろうか?郊外に住んでいて通勤に1時間以上かかる方は、毎朝6時ぐらいに起床するかもしれません。

あなたが「あと15分だけ」と布団の中でグズグスしている頃、遠く離れたアメリカでは、5時に起床したナイキのCEO、マーク・パーカーさんがすでに1時間の運動を終え、4時半に起きたアップルのCEO、ティム・クックさんは部下にEmailで指令を送り、同じく4時半に起きたスターバックスのCEO、ハワード・ショルツさんはすでに会社に出社しています。


↑アップルCEO:4時半に起きてまず部下にメールを送る。(iStock)

世界のCEOはほとんど例外がないほど早起きです。CNBCのレポーター、Julia Boorstinさんは毎年数えきれないほどのCEOにインタビューをしていますが、早起きを習慣にしていないと答えたCEOは一人、二人ぐらいしか記憶にないそうです。

早起きをして何をしているかは人それぞれですが、ジャック・ドーシーさん(ツイッター創業者)、リチャード・ブラウソンさん(ヴァージン・グループ会長)、そして、マリッサ・メイヤーさん(ヤフーCEO)と早起きを習慣にしているCEOの名前を上げれば
きりがありません。


リチャード・ブラウソン:人生は刺激的すぎる。休暇中でも5時45分には目が覚めてしまうよ。(iStock)

朝まで遊んで、昼12時頃に目が覚め、もの凄く憂鬱な気分になった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。これは1日の中で一番付加価値の高い時間を逃してしまったことが原因であると考られており、科学的に証明されつつあることですが、「
What the Most Successful People Do Before Breakfast(成功者は朝食をとる前に何をしているのか)」の著者である、Laura Vanderkamさんは次のように述べています。

「数多くのリサーチが証明しているように、早朝は”意思の力の供給”が一番高まる時間なのです。ダイエットで失敗するのは朝食よりも夕食の方が圧倒的に多いことからも分かるように、クリエイティブな仕事、運動、そして友人や家族との関係を深めるためにも、早朝の時間に投資することは私たちにとってものすごく大切なことなのです。」


スターバックスCEO:毎朝4時半に起きて、妻にコーヒーをいれてあげるんだ。

20世紀は、本来は真っ暗なのスペースに、派手な電飾を持ち込んで電力を大量消費するライフスタイルが主流でした。しかし、私たちは地球上の資源をたった数十年間で使い切ろうとしています。

従来人間は日の出と共に目覚ます生き物であり、夜型のライフスタイルが生まれたのは本当に最近のことです。20世紀の歴史は「夜」に作られましたが、多くの先駆者がすでに行動に起こしているように、21世紀の歴史は「朝」に作られるようです。

大量消費時代を経て、私たちは人間本来の姿に戻りつつあるのです。

早起きは3億の得だ。


↑早朝の1時間は日中の2時間分の価値がある。

日本では深夜まで働いていることが、ひとつのステータスになっており、早起きしてるなんて周りの人に話すと、「なんか年寄りクサイ」と言われあまり共感を得ることがありません。

しかし、哀川翔さんが早起きは3億の得と名言していることや、世界の成功しているCEOがもの凄く多忙で疲労も多い中でも、あえて早起きをし続けることには多くの理由があります。


↑ジョブズも6時に起きて子供が目を覚ますまでの時間を大切にしていた。(iStock)

「成功者は朝食をとる前に何をしているのか」の著者である、Laura Vanderkamさんによれば、早起きを習慣としている人は、朝の時間を使って、「すぐに結果に結びつかないが、長期的に考えて利益になる」ことに対して投資する傾向があり、それは大きく3つのカテゴリーに分かれます。

1. キャリアに栄養を与える–戦略を立てて、仕事に集中する。

2.人間関係に栄養を与える–家族や友人と過ごす時間にあてる。

3.自分自身に栄養を与える–運動や瞑想、クリエイティブなことに時間をあてる。


↑GE CEO ジェフリー・イメルトさん:「5時半には起きて運動しながら新聞とニュースを見ているよ。」

家族と過ごす時間や定期的な運動の重要性は誰もが理解しています。しかし、緊急な用事ではないので、会議や飲み会など「言い訳」を作ってスキップすることが多いのではでしょうか。

家族との時間や運動はいつでもリスケすることができますが、気づいたころにはもう手遅れという場合もあります。あなたにとって重要性が高いことを早朝に済ませることで、他人や会社にとって重要なことにあなたの時間を奪れることはありません。


↑哀川翔:「僕は早朝の時間を趣味に使ってる。いつ誘われても大丈夫なように常に準備しておくんだ。」

早朝は「意思の力の供給」が一番高まる時間帯ですが、1日の中で様々な人とやり取りをしたり、会議や討論などをしていくうちに意思の力はどんどん弱まり、そのような状態で重大な意志決定をしても良い結果は生まれません。

ハイデルベルク大学のChristoph Randler教授は次のように述べています。

「早起きを習慣としている人は長期的に物事を考えることができる人が多い。調査によって分かったことは長期的に考える姿勢がしっかり自分をコントロールし、それが本人の自信に繋がると言うことです。」


↑マイケル・ジョーダンも朝型でとにかく自分に厳しいプレイヤーだった。(Jason H. Smith)

英語を学ぼう、ダイエットをしよう、家族とゆっくり話しをしよう、自分でどんなに固い決意をしても、忙しい日々の中で周りがあなたの時間を奪い、結局中途半端な形ですべてが終わってしまいます。

成功者は長期的な視点で物事を考え、自分にとって大事なことは日中どんな用事が入っても大丈夫なように朝一番で終わらせることを心がけているようです。

早朝×(運動+創造性)=21世紀型のライフスタイル


↑Twitter創業者:毎朝5時半に起きて6キロのマラソンを欠かさない。(Joi Ito)

毎朝は早起きをすることは重要ですが、いくら早起きしてもただテレビを見ていたり、ダラダラとSNSのタイムラインを眺めていては意味がありません。

様々な成功者の早朝時間の使い方を調べてみると、運動、もしくはクリエイティブな仕事に時間を使う人が圧倒的に多く、その根拠も科学的に証明されつつあります。


↑オバマ大統領夫人:「子供が起きる前に運動を済ませたいの。毎日4時半に起床してるわ。」(iStcok)

早朝に運動をすることで、細胞の新陳代謝が行われ、1日を通してカロリーが燃えやすい状態を作ります。さらに定期的なルーティンとして続けられている運動の9割が早朝のエクササイズという調査結果もあり、「意思の力」も平行して、早朝に運動するメリットはもの凄く大きいようです。「成功者は朝食をとる前に何をしているのか」の著者である、Laura Vanderkamさんは次のように述べています。

「大企業のCEOはとにかく忙しい人達です。もし彼らが運動するために時間を作るのであれば、それは間違いなく重要なことなのでしょう。」


↑オバマ大統領:世界一忙しい大統領でも早起きして運動をする。(iStock)

さらに起床直後に脳の創造性が最大化されることが、科学的な研究によって証明されています。あるリサーチで早朝の脳の働きと夕方の脳の働きをMRIスキャンを通じて調査をしたそうですが、明らかに早朝の脳の方が集中力が高かったそうです。

さらに、Laura Vanderkamさんが朝6時から朝9時までのツイッターのタイムラインを調査したところ、「awesome(素晴らしい)」や「super(スーパーだ)」という言葉が1日のどの時間よりも圧倒的に多く見られたという調査結果もあります。


↑MRIスキャン:早朝の脳の方が圧倒的にアクティブ。

「早朝の創造性」という観点からツイッターの創業者、ジャック・ドーシーさんが仕掛け人のひとりと言われている「Third Wave Coffee Movement」が現在アメリカで注目を集めつつあります。

スターバックスは忙しいビジネスマンが空いた時間に仕事を片付けるためには持ってこいの場所ですが、起業家やクリエイターがゆっくりと新しいアイデアを考えるための場所には最適ではありません。それに気づいたドーシーさんは、感度の高い人がゆっくり集まって過ごせ、本当に質の高い豆から挽いたコーヒーを出すカフェを郊外に開業しました。


↑アメリカで注目を集める、「Third Wave Coffee Movement」(jen)

このThird Wave Coffee Movementについてクリエイターの高城剛さんは次のように述べています。

「日が昇って早々に行動することのほうが人間として自然であり、いまや仕事の前に朝カフェで会うことが米国中でトレンドになっている。サードウェーブコーヒーなど最近のユニークなお店のほとんどが、営業時間が朝6時から夕方6時までなのも興味深い。」


↑高城剛:「21世紀の歴史は朝作られるだろう。」

20世紀は健康を害してでも生産性を求めて働くのが美徳とされていましたが、21世紀を生き抜くためには「健康管理」と「創造性」が大切です。起床時間を変えることは20世紀型の人間から21世紀型の人間に切り替える良いいスイッチになるのかもしれません。

まとめ


↑早起きしなきゃいけない理由は揃った。

サイバーエージェントの藤田さんがインテリジェンスでの修行時代、多くの社員が「頑張っているアピール」のために夜遅くまで残っていることに嫌気が指し、朝型のライフスタイルに切り替えたと本に書いていましたが、いくら頑張って早起きをしようとしても、毎日終電で帰っていては間違いなく早起きなどできません。

哀川翔さんは早起きができない人に対して次のようなアドバイスをしています。

「みんな朝早くに起きられないって言うけど、答えは簡単だよ。早く寝ないからでしょう。で、早く寝られないっていう のは、早く起きてないからだよね。 「早寝早起き」っていう言葉は間違い。「早起き早寝」が、正解でしょ。」


↑スターバックスCEO:「私は6時に出社して19時には家に帰るよ。」

会社の人よりも先に帰り、22時、23時に就寝するのは少し勇気がいることかもしれませんが、そんなことを気にしていては本当に自分に取って大切なものは、他人の予定に押しつぶされてしまいます。

ベンチャー企業などでは夜中まで残って仕事をしているように見えますが、ほとんどFacebookのタイムラインを眺めたり、スマホをいじっているだけで、集中して仕事をしている人などほとんど見たことがありません。

新しい世紀の最初の10年は、どの時代も前世紀からの「乗り換えの10年」ですが、創造性が必要とされる21世紀の歴史は間違いなく「朝」に作られます。日本には「早起きをする人で家族を幸せにできなかった人はいない」という諺があるくらいです。

とりあえず、「早寝」から始めることであなた人生は大きく変わるのではないでしょうか。

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