March 6, 2015
グーグル会長「君たちはもう未来のテレビの姿に気づいているんじゃないのかい?」

平均的なアメリカ人は、1年の2ヶ月分の時間をテレビを見るのに使っているそうですが、アメリカ以外にも多くの国で、人々は働くのとほとんど同じくらい長い時間をテレビを見ることに費やしており、もし私たちが常に一番好きなことをしているのであれば、人間が一番好きな娯楽は、「テレビを見ること」になるのではないでしょうか。

ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダン准教授によれば、人はテレビを見ているときよりも、犬を散歩させるなど、もっと活動的なレジャーをしているときの方が幸福度が圧倒的に高いそうで、ヨーロッパ32カ国で1万人以上を調査した結果によれば、1日当たり30分以上テレビを見る人は、30分未満しかテレビを見ない人よりも、人生の満足度が低かったそうです。(幸せをお金で買う)


↑多くの人が一年の1/6をテレビを見ることに使っている。(Corrie)

実際、普通のテレビ局が報道やドラマなど、きちんとした番組を作るためには1700万〜1800万円かかり、どんなに削っても1000万円はかかると言われていますが、現在放送されているお笑い番組などは、200万円前後でも制作が可能になります。

いくら制作コストが200万円でも、テレビ局を作るためには、莫大な国民の税金が投資されているわけですから、広告費として支払われた金額を合算すれば、200万円で制作された番組を放送するのに、1億円以上の社会的コストがかかっている可能性もあり、それほどのコストをかけてクオリティーの低いお笑い番組やクイズ番組を放送する意味があるのかは疑問です。


↑くだらない番組を放送するためにも国民の税金が使われている。(Al Ibrahim)

権力者は国民が本を読んだり、海外の情報を仕入れて賢くなるよりも、お笑い番組などを見てヘラヘラしていてくれた方が助かり、戦後、世の中では多様な価値観が認められ、努力次第ではだれでも上層に行けると信じられてきましたが、それはうわべだけの見せかけで、支配欲求のある人たちは、いつの時代でも自分達の権利を守るために、メディアを牛耳り続けます。

実際、古くは卑弥呼の時代から、日本では平民・一般庶民が権力を握ったことは一度もなく、元ライブドアの堀江貴文さんは、彼らの権利に土足で踏み込こもうとしたため、徹底的に潰されてしまったのではないでしょうか。(テレビは見てはいけない P74)


↑ホリエモンは知ってか知らずが、権力に土足で踏み込みこんだため、徹底的に潰された。(Youtube)

しかし、あのライブドア事件から約10年、インターネットの発展は予想以上に早く、グーグル会長のエリック・シュミットは、Youtubeのユニーク・ビジターが10億人を超え、Youtubeが将来、テレビの変わりになるのかという問いに対し、次のように答えています。

「何を言っているんだい?もう変わりになっているじゃないか。」

さらに、アメリカのYoutubeの責任者でもあるMargo Georgiadisさんも自信も持って、「もしあなたの企業が40歳以下の世代にアプローチしたいなら、絶対にYoutubeを使うべきだわ。」と述べ、少しずつではありますが、一般庶民が巨大権力に立ち向かうためのプラットフォームが整いつつあります。


↑何言っているんだい?もうテレビの将来については分かってるでしょ?(nosillacast)

もちろん、まだまだテレビが世の中に与える影響力は大きく、多額の広告費や番組制作費用が業界内では動いていますが、数字で比べてみるとYoutubeの影響力がどんどん大きくなっているのが分かります。

これはアメリカのデータですが、テレビで最も稼いでいる人の収入は約16億1000万円に対し、現在最も人気のあるYoutuberの収入は約6億7000万円、再生回数を基準に比べてみても、テレビが537万回なのに対して、Youtuberは210万回と、この差は年々縮まってきています。


↑「テレビで最も稼いでいる人:16億1000万円」VS 「現在最も人気のあるYoutuber: 6億7000万円」(newmediarockstars)

 

↑「テレビの再生回数:537万回」VS 「Youtuberの再生回数:210万回」(newmediarockstars)

日本でも年収1000万円超えのYoutuberが登場し始めていますが、Youtubeの運営責任者、Salar Kamangarさんは次のように述べています。

「Youtubeのコンテンツも従来のテレビ番組を作る気持ちで作成し、マーケッターに広告費を払ってもらうように説得できるレベルにしてほしいんだ。」

日本のテレビ業界は、権力や資金を持っている人たちによって牛耳られ、20年間も日本がネガティブ・サイクルにハマっている原因になっているとも言われていますが、すべて自己責任で運営するYoutubeにおいては、そんなの関係ありません。

そもそも、競争相手も視聴者も日本ではなく海外にいるのですから。


↑Youtube動画もテレビ番組と同じぐらいのクオリティーが求められる。(worldstreetphoto)

テレビ自体も、「こんなくだらない番組のスポンサーになるか!」という企業が増えることで、広告費が減少し、少しずつ変わって行かざるをえない状況に追い込まれるのは間違いありません。

これまでのように閉ざされた場所で、限られた人たちが番組の内容を決めるのではなく、一人の若者が面白い企画を思いつき、テレビで放送できないかなと思った時、すぐに共感するスポンサーが現れ、フジテレビのゴールデン・タイムで放送できる、こんな時代がやってくれば日本も大きく変わるのではないでしょうか。


↑面白いことを思いつけば、誰でもテレビで放送できる時代がくれば、日本も大きく変わる。(Kacper Gunia)

アメリカのインチキ金融経済が破綻したように、背景にウソがある商売は必ず終焉し、テレビは「見るもの」ではなく、Youtubeのように才能のある人がコンテンツとして「つくるもの」に変わっていきます。

現在、戦後の娯楽の代表格として、テレビのいち時代を作り上げてきた世代から、もっと民主的な感覚を持ち、自らのクリエイティビティーに対して対価を貰う新しい世代への移行時期に入っているのではないでしょうか。

下記の動画を見てみて下さい。スマホの人も面倒くさがらず。

https://youtu.be/HATLbI-Np1E

どうでしょうか?みんな楽しそうですし、英語なんて分からなくても、動画を通じてユーザーは感情で繋がることができます。

テレビの新しい時代は、「どうやったら視聴率が上がるか?」と首を傾げるのではなく、「伝えたい」、「繋がりたい」と心の底から本気で考える人たちが勝者となり、もの凄い勢いで世の中を動かしていくエキサイティングな時代になっていくことでしょう。

Eye Catch:@Photo

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