October 5, 2017
10,000時間練習しなくても、20時間練習するだけで、カメラも英語も劇的に上達する。

よく、何か新しいスキルを身につけて、そのスキルで食べていけるようになるためには、最低1万時間の努力が必要だと言われます。

1万時間という時間は、仮に1日も休まず毎日意識的に100%の力をつぎ込んで5時間練習に取り組んだとしても、5年という莫大な時間がかかり、現実的にこの練習量をこなすには相当の根気が必要になってくることでしょう。

作家のジョシュ・カウフマン氏はこの「1万時間の法則」に対抗して、もちろん、それで食べていけるほどの実力はつかないが、文章の書き方や英語の習得、そして飛行機の操縦まで、基礎スキルの習得のために、ほんの20時間投資するだけで、驚くほどにスキルは上達するのだと言います。

もちろん、1万時間コミットできれば、それに越したことはないのでしょうが、人生の時間は限られていますし、そもそもの目的がプロの料理人になってお店を開くことではなく、ただ、自分にとって大切な人たちに美味しい料理を振る舞いたいだけだとしたら、そもそもの目的が全然違ってくることになります。

20時間という練習時間は大体一日40分の練習を1ヶ月間続けるぐらいが目安なので、それほど苦しいことではありません。しかし、20時間という時間でスキルを大幅に上達させるためには、DVDや本で学ぶのではなく、自分がミスをしたり、間違ったりした時に何かしらのフィードバックがすぐにもらえる環境に身を置くことが大切だと言います。

つまり、フィードバックが返ってくる速度が早ければ、早いほど、スキルが上達する速度が上がるということになりますが、現在ではビデオや写真などで自分のパフォーマンスを即座に共有できるため、こうゆう時こそ、ITツールをフルに活用しない手はありません。

てっとり早く新しいスキルを身につける方法として有名なのが没入法(イマージョン)で、英語なら、英語を学ぶためにアメリカやイギリスに住んでしまうのが一番の上達の近道だと言えます。

特に英語を学ぶためではなくても、たった数週間、1ヶ月海外に行くと英語のスキルが上がっているように気づくのは、恐らくこの「20時間ルール」が自動的に働いているからなのでしょう。

よく特定の分野で専門的な知識があり、さらに自分の専門性とは別に多様なジャンルで幅広い知識を持っている「T型字型人材」がこれからの時代には必要だと言われます。

しかし、実際何の知識がどう結びついて、どういった化学反応が起こるか分からない現代では、強く太い専門性を一つ持ちながらも、その他の全く関係ない分野の必要最低限の基礎を抑えた上で、他の専門性と自分の専門性をつなぐことができる「H型字型人材」の方が世の中の需要が高いのかもしれません。

力点をしっかり抑えて、「1万時間ルール」と「20時間ルール」を使いこなし、努力の仕方を間違えないようにする必要があります。

専門家にならなくても、食生活、ジョギング、文章、そしてドローンの操縦まで、20時間みっちり努力すればスキルは驚くほど上がっていくのですから。

/20HOURS_RULE