May 16, 2017
毎朝、冷水シャワーを浴びることは、大笑いすることと同じぐらい健康にいい。

Image Credit_Gui Seiz_Flickr_Creative Commons

書籍の中のジェームズ・ボンドは、毎回シャワーを浴びる時、温かいシャワーから始めて、最後の数分は冷水シャワーで締めくくっていたそうですが、毎朝、冷水シャワーを数分浴びることで、脳の回転が速くなり、病気にかからないための免疫も強化されて、さらには、ストレスまでも軽減させるなど、驚くような効力が数多くあるようです。

北欧の研究では体が冷たい水に触れると、褐色脂肪の代謝率が15倍も高まり、毎日冷水シャワーを浴びることで、年間で5キロの体重を落とすことができると言います。

また、氷のような水に入ると体の免疫が3〜5倍に高まるという話もあって、62歳にして30代の外見にしか見えないと話題の南雲吉則ドクターも一日2回の冷水シャワーを自身の健康法に取り入れているそうです。


↑最初は冷たいものの、次第に「温度羽衣」と呼ばれる薄膜が体を包むようになり、ずっと浴びていられるようになる。

よく「笑うこと」が一番の身体の薬だと言われます。

それは激しく笑うと、苦しくなって息がさえぎられ、体からストレスが押し出されますが、このプロセスが脳内で多くの幸福感をもたらすエンドルフィンという神経伝達物質を出す引き金になります。

冷水シャワーを浴びることでも同じような効果を体にもたらし、冷たい水が体に当たることで、脳が心地よいと感じる科学物質を出すため、体が心地良さを感じるようになるのです。

また、ニューヨークのある機関の調査によれば、熱いシャワーは体を無気力にさせると言います。

したがって、脳の回転を速くしたり、病気にかからないように免疫を強くしたりするためには、熱いシャワーとは真逆の冷水シャワーを浴びる必要があり、バスケットボール界のスーパースターであるコービー・ブライアントやレブロン・ジェームズも冷水の浴槽に浸かり、体の調子を整えているそうです。


↑Instagramで冷水に浸かるコービー・ブライアント。 (Instagram)

冷水シャワーを毎日行うだけでも、十分効果はあります。

でも、サウナ(もしくは、熱いお風呂)と冷水シャワーをセットで行うことで相乗効果を発揮し、自分個人的にはサウナなど、ただの罰ゲームとしか思えなかったのですが、むしろサウナの主役はその後の水風呂にあると言われ、日本サウナ・スパ協会の広告大使を勤める漫画家のタナカカツキさんは水風呂のないサウナは「麺の入っていないラーメン」、「タコの入っていないたこ焼き」なのだと名言しています。(1)

日本でサウナというとストレス塗れのサラリーマンのたまり場のように思われがちです。

しかし、世界一幸福な国として頻繁に取り上げられるフィンランドでは、約550万人の国民に対して、一家に1台のテレビと同じ感覚で330万個のサウナがあり、99パーセントの国民は少なくとも一週間に一回はサウナを利用すると言われるほど、フィンランドの文化に欠かせないモノなのです。


↑サウナの主役は、むしろその後の冷水シャワーか水風呂である。

サウナで汗を流すことは、普通に運動をするのと同じようなもので、血液循環が良くなって、運動した後に感じるほどよい疲労感を得ることができ、血管が開いて、デトックス効果で体内の毒素が体の外に出るため、体の代謝がよくなります。

若い人ほど新陳代謝が良いため、代謝が良くなるということは、若さを保っていられるということであり、権威のある医学専門誌JAMAがフィンランドに住んでいる男性2315人を対象に行った調査によれば、サウナに週4〜7回に行く人は、週に1回しか行かない人に比べて、様々な要因に関する死亡率が40パーセントも低く、明らかにサウナに通う人の方が寿命が長いようです。


↑サウナに行く人の方が圧倒的に寿命が長い。

サウナと冷水シャワーを交互に行うことで、そのたびに毛細血管が伸縮し、ポンプのように血液を先に押し出すことで、からだ全体に血液が循環するようになります。

その結果、脳に大量の酸素が送り込まれると、快感のホルモンが分泌されることになりますが、この最高に心地よい「体がととのった」、サウナトランスの状態を一度経験すると、快感がやみつきになるになってしまうようです。

特に体はどこも悪くないのに、全身がダルかったりする場合は、自律神経が乱れている可能性がありますが、サウナと冷水シャワーを交互に繰り返すことで、自律神経が活発になり、心身のバランスが調整されることで活力が湧いてきます。漫画家のタナカカツキさんはこのような快感からサウナは「大人のディズニーランド」とまで豪語しています。


↑サウナは大人のディズニーランド。

そもそもサウナは、今から2000年も前に、フィンランドのフィン族が太陽の恩恵が少ない北欧の大地で、厳しい寒さと労働の疲れを癒やすために考え出された生活の知恵で、現在でもフィンランドでは日本のヨーグルトのCMにあるように、サウナに入った後に雪の上に寝転んだり、湖の中へ飛び込んだりしています。

良くも悪くも、人類が進歩すればするほど、身体は最小限にしか使われなくなり、夏は冷房、冬は暖房と体をどんどん甘やかしてしまったことで、人間が従来持っている身体の機能や抵抗力が失われ、心身ともに生命が弱くなってしまっていることが現代人の特徴でしょう。

毎日のように世界から輸入されてくる健康法や飲むだけで◯◯といった最新のものにどれだけ効果が望めるのでしょうか。

2000年もの間、祖先から祖先へと言い伝えられているということは、その時代に生きた人がしっかりとその効果を実感し、次の世代に伝えようとしている証でもあります。

つまり、古いものが一番新しい。そういうことなのでしょう。

参考書籍

1.タナカ カツキ「マンガ サ道~マンガで読むサウナ道」講談社、2016年 Kindle 2. タナカカツキ「サ道」パルコ、2011年 Kindle

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