江戸時代には日曜日という概念がなく、日曜日が休みになったのは今から150年前のこと。
週休二日は、松下幸之助が1965年に「一日休養、一日教養」を掲げ、世界に勝てる仕事の能率を求めて導入されたのが始まりです。
社内では、「日曜日も働かないといけないくらいなのに、なぜ休みを増やすのか?」と反対の声が多かったそうですが、松下電器の売上は2年間で 2035億円から3473億円になったのだと言います。
↑松下電器は休みを増やしたことで、売上を大きく伸ばした。(Photo by LC)
最近では、リモートワークの影響もあり、週休三日の議論が活発になりはじめている。
ひと昔前は、ブルーカラーの仕事、ホワイトカラーの仕事などと言う呼び方がありました。
週休三日が当たり前になり、リモートワークを通じて、都心から地方に人が広がっていけば、朝は農業、昼から自宅でリモートワークをして、夕方はDIYやバーベキューを楽しむといった「ノーカラーの時代」がやってくる。
むしろ、農業やDIYに触れることによって、ホワイトカラーの仕事での新しいアイディアがどんどん湧いてくるようになるのでしょう。
松下幸之助は生産性を上げるために週休二日を導入しましたが、これからの最先端の企業は創造性を上げるために、週休三日を導入していくのだろう。
↑生産性ではなく、創造性を上げるために週休3日を導入する。(Photo by LC)
今や常に新しい知識が更新されることで、5年後に使える知識は15%程度と言われ、天才が一時間でできることを凡人は5年かけてもできないと言われます。
労働人口が増え続けていた「人口ボーナス期」は、市場がモノやサービスに飢えていたため、できるだけ長時間働いた企業が勝ちました。(1)
しかし、労働人口が減っていく「人口オーナス期」は、時間当たりの単価が高騰するため、なるべく短時間で働いた企業が勝つことになります。
むしろ、一億総クリエイター時代、一億総社長時代と言われ、労働時間がどんどん短縮されていく中で、働きたいと思われる企業は、仕事することが楽しいか、より短期間に多くのことを経験できる企業だけになっていくだろう。(2)
↑これからは、できるだけ短時間で結果を出せる企業が勝つ。(Photo by LC)
毎回インターンを募集するたびに、9000人の応募があるパタゴニアの創業者は、会社の経営には関わろうとせず、ずっとサーファーやクライマーであり続けたことが、製品の質を上げ、圧倒的に差別化されたパタゴニアの企業文化を作り上げていきました。
リモートワークで疲れた脳は、農業やDIYをしながら休め、肉体的に疲れたらPCの前に座って仕事をすることで、身体を休めるといったワークスタイルが良い循環を作り上げていくのだろう。
そういった意味では、業績が悪い会社ほど、休みを増やさなければならないのかもしれません。
Note
1.小室淑恵『労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる』毎日新聞出版、2016年 2.柳澤 大輔『リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来』KADOKAWA、2020年
参考書籍
■武者陵司『結局、勝ち続けるアメリカ経済 一人負けする中国経済』講談社、2017年 ■土屋 哲雄『ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』ダイヤモンド社、2020年 ■佐藤留美『仕事2.0 人生100年時代の変身力』幻冬舎、2018年
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