人間は生きるために環境の変化に対応しようとするため、短い期間に移動を繰り返すと、景色、街並、空気、気候、人、言葉、音、色、そして、匂いなど様々なものによって五感が刺激されます。
この五感が極限に敏感になった状態こそがアイデアを生み出す「クリエイティビティの源泉」になると言われる。
旅行中に、アイディアが急にふっと湧いてくるのは、五感が敏感になって、身体が新しい環境に対応しようとしているからなのだろう。
旅行をしながら働くのは現実的ではありませんが、毎日違うカフェに行く、二日連続で同じ場所で働かないということくらいであれば、リモートワーク化で十分対応可能なのでしょう。
同じカフェでも、店舗によって光の入り方、照明が当たり具合、提供される飲み物、そして、何よりそこにいる人が毎回違ってきます。
イギリスの調査では、教室のデザインや照明は教師の質のよりも学習のスピードに影響を与えることが分かっている。
↑二日連続で同じ場所で働かない。(Pic by LC)
また、別の調査では、ジムで周りの人が運動していると、なぜか自分も運動するモチベーションが上がるの同じように、カフェで周りに同じような作業をしている人たちに囲まれると、自然とその環境に影響されることが分かっています。
仕事へのモチベーションがカフェインではなく、その場所に集まる人々の質で変わってくるのだとしたら、カフェのオーナーはコーヒーの味にこだわるのではなく、カフェに集まる人の質にこだわった方が、成功する可能性は高いのかもしれない。
目に入るものが変わると、脳が自然と刺激されていく。
カフェ以外にも普段行かないプールで泳ぐ、特別な日はサウナに入るなど、こういった非日常的な行動から身体や脳に届けられる情報は、普段、身体や脳に伝達されている情報とは違うものなので、情報の処理のされ方も変わってくるのだろう。
↑目に入るものが変わると、脳が自然と刺激されていく。(Pic by LC)
海外旅行などに行くと、新しい刺激が一気に身体の中に入り込んできて、「インプット過多・アウトプット過少」の状態になるため、帰国した途端、何かをやりたいという意欲が急に湧いてきた経験は誰でも一度はあることでしょう。
脳に常に刺激を与え続けるという意味で、定期的に環境を変え続けることがクリエイティビティを引き出す大きなキッカケになる。
働く場所も、ランニングするコースも、聴く音楽も、二日連続で同じことは行わないくらいが脳にとってはちょうど良いのだろう。
参考書籍
■ベンジャミン・ハーディ『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』サンマーク出版、2020年 ■奥平和行『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』日経BP、2018年 ■青砥瑞人『BRAIN DRIVEN ( ブレインドリブン ) パフォーマンスが高まる脳の状態とは BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年