June 30, 2022
欧州人にとっては「日焼け」は、裕福であることの象徴。「紫外線=悪」の思い込みが様々な病気を増やす。

フランスなどのヨーロッパの国々では、適度に小麦色に焼けていることは、「バージョンを取る余裕がある」ことを示し、裕福であることの象徴にもなっているのだと言います。

皮膚科学会組織やWHOが約30年間にわたり、日光に直接当たらないことを推奨した結果、世界の4割の人がビタミンD欠乏に陥っているのだと言う。

また、世の中では「紫外線=悪」という思い込みが強い一方で、日光浴がこれから起きる病気のリスクを減らしたり、寿命を延ばす効果があることは、様々なデータや論文によって明らかになっています。


↑欧州人にとって、適度の日焼けは「バージョンを取る余裕がある」ことを示す。(Pic by LC)

沖縄のような暖かい地方には、楽天家が多く、デンマークのような日照時間が短い地域は自殺率が増える傾向にある。

これに加えて、午前中の日照時間が長いと株価が上がりやすいという調査もあり、適度に日光に当たることは、人間にとって何かしらポジティブな効果があることは間違いない。

イギリスでも花粉症で悩んでいる人達はいますが、夏休みに毎日太陽を浴びたティーンエージャーは、花粉症のリスクが著しく低下するなど、太陽を浴びることで免疫機能が高まることが明らかになっています。

日本のアニメの名作「アルプスの少女ハイジ」では、19世紀、工業化のため大気汚染が激しかったドイツのフランクフルトから、車イスに乗った色白のクララが大自然のアルプスにやってきます。

そしてある日、クララとハイジが口論になった時、立てなかったはずのクララが思わず立ち上がるシーンがありますが、これはアルプスの大自然の中で、日光を十分に浴びたことが大きな要因となりました。


↑暖かい地方は楽天的な考えの人が多い。(Pic by LC)

ロシアでは、白すぎる肌は「げんなりしているように見える」ということから、女性はあえて自分の肌よりも暗い色のファンデーションを選んで、肌の色を白く見えないようにしたり、ストッキングなども「日焼けしやすいストッキング」などが売られているのだと言います。

バケーションのために生きているヨーロッパの人達と、法律で定められた有給を取るのでさえ、躊躇ってしまう日本人では考え方の違いはあるのかもしれませんが、皮膚がんに対する警戒をしながらも、夏は少し日焼けするぐらいが健康的なのかもしれません。

参考書籍

■斎藤糧三『サーファーに花粉症はいない』小学館、2012年 ■高城剛『2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生』集英社、2019年 ■ロルフ・ドベリ『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』サンマーク出版、2020年 ■斎藤糧三『病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』講談社、2017年

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