February 3, 2016
村上春樹「どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じ。

情報が増え続け、生き方がネットで見られている以上、クリエイティブな人が世の中に評価されるためには、「人生の作品化」をしなければならず、これからの時代は匿名的な裏方で影響力のあるクリエイターとして存在していくのは難しくなってくると言います。

実際、何を食べて、何を着て、何の仕事をして、どんな人と付き合い、そして、どこで生きるのか、僕達は毎日無限の選択肢の中から、様々なものをカスタマイズして生きているわけですが、これを言い換えれば、僕達は毎日、「人生を編集」しており、その組み合わせこそが、ライフスタイルを築く上で、一番の付加価値になっていくような気がします。

だから、自分の人生を最高の編集物にするつもりで、より良い人を集めて、より良いモノを作っていかなければなりませんが、多くの人が労働市場に参加してくる世界では、能力を証明するために自分の「シグネチャー(署名)」を明確に打ち出す必要があり、作家の村上春樹は生き方について次のように述べています。

「どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じだ。どんな風に女の子を口説くか、どんな風に喧嘩をするとか、寿司屋に行って何を食べるとか、そうゆうことです。」

「ひととおりそうゆうことをやってみて、”なんだ、これならべつに文章なんてわざわざ書く必要もないや”と思えば、それは最高にハッピーだし、”それでもまだ書きたい”と思えば、上手い下手は別にして、自分自身の文章がかける。」

これはSNSだろうと、何であろうと、同じことでしょう。これからの”中身化”させていく世界では、自分の生き方を作品化し、それをライフスタイルとして世の中に提供していくぐらいの勢いがなければ、クリエイターとして生きていくことは難しいのかもしれません。

参考:

菅付 雅信「中身化する社会」(星海社新書、2013年)

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