July 5, 2016
ビル・ゲイツ「飛行機の出発時刻ギリギリに間に合うようにオフィスを出ろ。せっぱ詰まった時こそ最高の能力が発揮できる。」

イラスト:リーディング&カンパニー

日本のホワイトカラーの生産性の低さは自分で意志決定し、実行できない多くの経営者や部長に原因があると言われており、それに伴い、会社の従業員は社長、部長を説得するための書類作りで多くの時間を浪費しています。

それは企業だけではなく、世界がもの凄い勢いで変化しているのに、意志決定のスピードが致命的に遅く、誰も責任を取ろうとしない日本政府も同じことなのかもしれませんが、アマゾンCEOのジェフ・ベゾスがインターネット界の7週間は、現実世界の7年に相当すると述べているように、もう犬の人生の短さで物事を考えるドックイヤーではなく(イヌの1年は人間の7年に相当する)、ネズミの人生の短さで物事を考えるマウスイヤーを意識して行動していかなければならないのかもしれません。(ネズミのの1年は人間の18年に相当する。)


↑インターネット界の7週間は、現実世界の7年だ。7年も事業を遅らせるなんて考えられない。(Flickr_Steve Jurvetson_CC)

Yahooも少し前までは時代に乗り遅れた企業の一つであり、あるYahooの社員がスマートフォンでLINEを使う女子高生に話しを聞くと、「ヤフー?ああ、小学校のパソコンの授業で使ったことがある。」と言われて、スマホ世代にはYahooブランドが通せず唖然としてしまったらしいですが、現在は「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する。」という爆速経営で、徹底的にスピードにこだわり、事業を進めているようです。


↑歴史的なイノベーターがあっと言う間に置いてきぼり。(Flickr_Yahoo_CC)

社長が今月の目標は「仕事のスピードを上げること」と笛を吹いても、ほとんど効果はないように思いますが、人間はある程度の極地に追い込まれると、今まで以上の力を出すことができると言われており、本田宗一郎さんは戦時中、工場が焼失したり、供給が制限されたりする中で、そのような危機を会社がどのように乗り越えたいったかをすべて記録していきました。

その結果、皮肉なことに危機は労働者を鍛え、何もなかった時よりも危機に見舞われた方がよい成果を上げていることに気づいた本田宗一郎さんは、その後もプロジェクト完成間近になると、納期を短縮し、あらゆる危機を意志的に作り出していたと言われています。


↑本田宗一郎「納期を短縮することで、社員は今までにない力を発揮する。」(イラストbyリーディング&カンパニー)

この本田宗一郎さんの考えは「はしごを渡せ」という経営方針にまでなっていますが、危機に見舞われると社員は「以前やったこと」に頼るのをやめ、創造力を最大限に発揮すると言います。

アリババの創業者、ジャック・マー氏も次のように述べています。

「リーダーは人の一番いいところを引き出せなければならない。あなたは相手が自分でも気づいていないようないいところを見つけ出さなければ。もし虎が後ろから追いかけてきたら、自分でも思ってもみなかったスピードで走れるだろう。すべての人に潜在能力が眠っている。リーダーがそれを引き出せるかどうかだ。」(アリババの経営学 P187)


↑もし虎が後ろから追いかけてきたら、自分でも思ってもみなかったスピードで走れるだろう。人間はそうできている。(Flickr _World Economic Forum_CC)

とにかく時間を無駄にすることが大嫌いだったビル・ゲイツは、飛行機に乗る際、時間に余裕を持ってオフィスを出るのではなく、ギリギリの時間を逆算して、車を猛スピードで飛ばし、飛行機のドアが閉まろうかという間一髪のタイミングで飛行機に乗っていました。

周りから見れば、迷惑きわまりない客ですが、ゲイツは平然とこう言っています。

「せっぱ詰まった時こそ最高の能力が発揮できる。僕は時間の浪費を好まない。便が出る1時間も前に行っているような男じゃない。」


↑飛行機が出る1時間前に空港に行くなんてありえないよ。(Flickr_World Economic Forum_CC)

スティーブ ・ジョブズにもこのようなエピソードは数多くあり、開発中のマッキントッシュの起動時間が長くかかることに腹を立てて、開発チームに次のようの述べました。

「起動をもっと速くしないとな。起動時間を10秒削れたら、利用者が5000万人として1日ごとに5000万秒の節約になる。1年だと、人間の寿命の何十倍にもなるだろう。10秒間早く起動できるだけで、何十人もの命を救えんだぞ。」


↑起動時間が10秒速くなるだけ、数多くの人間を救うことができる。(Flickr_Fabrizio Furchì_CC)

マーク・ザッカーバーグも「完璧を目指すより、まず終わらせろ」と述べていますし、2004年にキンドルの開発担当だったスティーブ・ケッセルが、「いつまでに開発すればいいのか」と質問すると、ベソスは即座に次のように答えました。

「すでに遅すぎるね。」

「君の仕事は、今までしてきた事業をぶちのめすことだ。物理的な本を売る人間、全員から職を奪うくらいのつもりで取り組んでほしい。」


↑そのスピードではすでに遅すぎるよね。 (Flickr_Dan Farber_CC)

成功の反対は失敗ではなく、躊躇をして何もしないことや、今までやってきたことを繰り返し、リスクを負わないことなのかもしれませんが、現在Facebook COOを務めるシェリル・サンドバーグさんがグーグルで働いていた時、彼女のミスで会社に数億円の損益を与えてしまった時のエピソードが「アップルVS.グーグル」という本の中に書かれていました。

サンドバーグさんが「今回のことは申し訳ないと思います。」と謝るとラリー・ペイジは彼女を責めず、次のように述べました。

「今回のミスをしてくれて本当によかったと思ってる。慎重すぎて、やることが少ない会社より、動きが速すぎて、やることが多すぎる会社にしたいからね。こういうミスがまったくなかったら、それはリスクの冒し方が足りないということだ。」


↑やることが多すぎる会社にしたいからね。(Flickr_Scott Beale_CC)

グーグルの会長、エリック・シュミットはメールを即座に返信することが強い企業文化を作ると述べていますが、特に飛び抜けたスキルが無い人でもメールを速く返信することぐらいはできるでしょうし、上司や会社の動きが遅いのであれば、とりあず動き始めてしまって、後から許可を取るぐらいのスピード感で動いてしまっても良いのではないでしょうか。

日本を代表する政治家、田中角栄さんは「思い切り仕事をしてくれ。責任はすべてワシが背負う。以上!」と圧倒的に意思決定が速い人でしたが、周りを信じて、責任を受け入れる覚悟があるからこそ、堂々とこんな発言ができるのでしょう。

スピードを意識することで、企業の未知なる潜在能力を引き出すことができると様々な人が述べていますが、逆にスピードを意識しない企業は衰退あるのみなのかもしれません。

/MOUSE_YEAR