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ユーチューバーやプロゲーマーなど、今まで存在していなかった新しい仕事が生まれるスピード以上に、今まで存在していた仕事がどんどん機械に代行されていくスピードの方が圧倒的に速いように感じます。
以前、橋下徹さんが何かの番組で、公務員の仕事の大半は自動化が可能で、行政のIT導入が遅い理由は、ITを本格的に導入してしまうと、公務員の多くの仕事が無くなってしまうからだと仰っていました。
恐らく、今後も運のいい少数の人たちは、必要でない仕事を、必要であるかのように見せかけることで、今までの仕事を維持していけるのかもしれませんが、大半の人たちは1年、2年と時代が進むにつれて、確実に「仕事が無くなる」という言葉の意味を理解しなければならなくなってくることでしょう。
15年〜20年前までは、500人いた米証券会社大手ゴールドマン・サックスのトレーダーは、現在3人しかいないそうです。
衣食住の需要が満たされ、人工知能などの発達で100人で行っていた仕事が5人でできるようになると、物事の中心は「衣・食・住」から、「遊・休・美・知」にシフトしていくことになります。
旅行や料理、そして、絵を描くことまで、遊びを単なる遊びとして捉えるのではなく、自身に負荷をかけながら真剣に取り組むことで、それがいつの間にか仕事になっているという話をよく耳にしますが、DJで映画プロデューサーのドン・レッツの「遊びが仕事になったとき、文明の最高峰に達したということだ」という言葉は、まさに未来の労働を表していると言えるでしょう。
M&Aコンサルタントの正田圭さんは、著書「この時代に投資家になるということ」という本の中で、最近増えてきているオンラインサロンは、労働をしてお金を貰うのではなく、あえてお金を払って「労働に参加している」のだとして、労働はすでにお金を稼ぐための手段ではなく、娯楽の一部なのだと指摘しています。
確かに、堀江貴文さんなどのオンラインサロンで行っている内容というのは、本来は堀江さんが会社を設立して、従業員を雇うことで、事業化していくものなのでしょう。
しかし、オンラインサロンに参加している人たちは、毎月10,800円という高いお金を払って労働する権利をわざわざ買い、喜んでドローンを飛ばしたり、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げたりして労働しているように見えます。
そう言った意味で、労働はすでに娯楽化しているとも言えますが、労働の価値観が大きく変わり始めている現在、本気で真剣に遊ぶという意識を持たないと、どんどん時代に取り残されていってしまうことは間違いありません。
基本的に遊びとは、「無駄」の上に成り立っていて、結果よりも、遊んでいるプロセスから様々なことを学んでいきます。
しかし、現代のような合理化された会社組織の中で、許されている遊びはグーグルの「20%ルール」ぐらいで、本気で遊びから新しいビジネス市場を作りたいのであれば、会社の外で遊びを極めていくしかありません。
グーグルのようなIT企業は、多くの利益を上げたとしても、多くの雇用は提供しませんし、いま一部の大企業の経営者の間では、どれくらいのスピードで仕事を自動化していったら、労働者から反発が起こらないかが議論されているのだそうです。
きっと、ずっと会社組織の中に閉じこもっていると、本当に意識の高い人以外は、自分の頭で考えることを放棄してしまうことでしょう。
言われたことをしっかりやって、努力できる人は多いけど、自分の頭でしっかり考えて動くことができる人はほとんどいないような気がします。
時代が江戸から明治に変わり、世の中の価値観が大きく変わり始めた時、多くの人が「自分は何がやりたいのか」ということが分からず悩んだそうです。
平成という時代が終ろうとしている時に、現代の人たちも明治の人達と同じような悩みを抱えているわけですが、時代が進めば、進むほど、今までのようなただ単にお金を稼ぐだけのための労働の対価は間違いなく減っていくことは間違いありません。
本気で遊ばなければヤバイ時代がついにやってきました。