スターバックスの元CEOであるハワード・シュルツはスターバックスを拡大するための初期の資金集めで242人に呼びかけて、217人に断られたのは有名な話です。
Airbnbは、VCから60回断われ、JKローリングは「ハリー・ポッター」の出版を12社の出版社から断れており、Zoomの創業者のエリック・ヤンは8回もアメリカのビザ申請を却下されている。
また、最近、Netflixで配信されているSpotifyの創業ストーリーを描いた「ザ・プレイリスト」の中では、創業者のダニエル・エクが、何度も世界中のレコード会社にSpotifyのビジネスモデルを提案しても、全く相手にされないシーンが描かれています。
↑スタバの成功を信じられた人はたった9%。(Pic by LC)
「これは絶対に上手くいく!」と言った直感は、自分の魂のささやきのようなもの。
そう言った意味では、9割の人に反対されたアイディアとは、自分がよっぽど間違ったことをしているか、新しい歴史を作ろうとしているかのどちらかだろう。
セブンイレブンの鈴木敏文さんが言う通り、みんなが賛成することは、たいてい失敗し、逆にみんなが反対することは、たいてい成功するのかもしれない。
全世界で1億5000万部以上売れ、世界中で読まれた本の歴代第6位にランクインしているパウロ・コエーリョの「アルケミスト」という本の中で、主人公の少年が「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と心に想う場面があります。
正解にたどり着く可能性が100分の1でも、100回挑戦すれば、嫌でも確実に正解の方向に進んでいく。
↑確実に間違っているか、歴史を作ろうとしているか。(Pic by LC)
「思考は現実化する」の著者として知られるナポレオン・ヒルが、人が何か目標を掲げた時、諦めるまでに何回トライしたかという平均値を調査したところ、諦めるまでの平均回数は1回未満だったのだと言います。
つまり、ほとんどの人は、自分の目標に対して、ほとんど挑戦すらしないまま終わってしまっている。
よく、成功する経営者には先見性があると思われがちですが、実際は目に見える範囲以上のことを予測するのはなかなか難しいのが現状です。
結局、成功したあとに言われる「先見性があった」というのは、短期的に何かを犠牲にしてでも、自身のビジョンを信じて続けてこれた結果だと言えるのだろう。
↑ほとんどの人は挑戦すらしていない。(Pic by LC)
カーネル・サンダースは、KFCを立ち上げる時に、1009回も断られたが、「自分はまだ1回しか断れていないじゃないか!」と思えるか。
夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いなのだとしたら、きっと、運命に魂の強さを試されているのだろう。
参考書籍
■ティム・フェリス『巨神のツール 俺の生存戦略 富編』東洋経済新報社、2022年 ■田所 雅之『御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 企業発イノベーションの科学』光文社、2020年 ■アレックス バナヤン『サードドア―精神的資産のふやし方』東洋経済新報社、2019年