March 7, 2024
世の中は、リスクを取る人が、リスクを取りたくない人から、利益をどんどん吸い上げるようにできている。

2024年の1月に食道ガンで亡くなられた経済評論家の山崎元さんは、「父から息子への手紙」という本の中で、資本主義とは、リスクを取ってもいいという人が、リスクを取りたくないという人から、どんどん利益を吸い上げるようにできているのだと言います。(1)

転職、投資、そして、起業と、資本主義は、強い意志を持って、果敢にリスクを取り行こうとする人に味方する。

また、サラリーマン投資家で、2005年に長者番付1位となった清原達郎さんは、リスクが存在しない世界を「死んだ世界」と表現しています。(2)

人間は、常に車に引かれるリスク、強盗に遭うリスク、健康を損なうリスクなど、日々様々なリスクを負っているわけですが、リスクをゼロにしようと思えば、もう死ぬしかありません。


↑資本主義は果敢にリスクを取る人の味方をする。

間違いなく人生の敗者になれる方法が2つあるのだと言います。一つは無謀なリスクを負うこと、そして、もう一つは全くリスクを負わないこと。(3)

そう言った意味では、自分自身に一定の負荷をかけて、適度なリスクを負っている状態こそが、本当の意味で「生きている」ということなのだろう。

起業する、転職する、結婚する、海外留学する、様々な目標に対して、自分が何もしていなくても、常に歳を重ねて、自分の目標が実現しにくくなるというリスクを負っていることになります。

一番良くないのは、ふと気づいたら歳を取っていて、もう新しいことに挑戦できないという状態になってしまっていること。

飛行機の事故が起きると、リスクを懸念して、多くの人が飛行機を避けようとします。

しかし、皮肉なことに、飛行機が一番安全なのは、整備が徹底されている事故の直後なのだと考えれば、ビジネスの世界でも、みんながリスクを恐れている時が、実は一番安全なのかもしれない。(4)


↑飛行機が安全なのは、事故が起きた直後。

実際、「若者の未来」なんてものは存在しないのだろう。若者が持っているのは、致命傷にならない程度の許容度で、リスクを取るための「時間」だけ。

リスクを取れる人と、取れない人の違いは、何か新しいことを始める時に、常にできる方法を考える人と、言い訳の総合デパートのように、常にできない理由を考える人との違いとも言えることができる。

本当の「安定」は、本当の「挑戦」からしか生まれないのかもしれない。もし、いま何かしらの安定を手に入れているのであれば、それは間違いなく過去の勇気ある挑戦から生まれている。

人間の身体は何もしなければ、毎年1〜2%劣化していく。

これと同じように、人生においても、何もしないことや現状維持がリスクゼロなんて言うことは全くなく、時間と共にリスクは複利のようにどんどん大きくなっていく。

もはやリスクを取りたくないこと自体が、本当のリスクなのかもしれない。

Note

1.山崎元『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』Gakken、2024年 2.清原 達郎『わが投資術 市場は誰に微笑むか』講談社、2024年 3.マックス・ギュンター『運とつきあう 幸せとお金を呼び込む13の方法』日経BP、2012年 4.キム・スンホ『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』サンマーク出版、2024年

参考書籍

◾️福永活也『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』クロスメディア・パブリッシング、2019年

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