October 29, 2021
スターバックスの創業者が、ビジネスマンではなく作家であった本当の理由「読書の生涯リターンは25%以上で、大富豪の読書量は年収300万円の人の38倍」

2021年10月にKindle ダイレクト・パブリッシングから「なぜ、スターバックスの創業者は、ビジネスマンではなく多読の作家だったのか?読書の生涯リターンは25%以上」という本を出版致しました。



この本では、人生における3つの大きな問題であるお金、健康、そして、人間関係は読書をすることで解決できるという命題を立て、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスなど世界の様々な成功者や根拠を上げて、この命題を立証していく。

この記事では、本の面白いポイントを抜粋してお届けします。

Kindle Unlimitedで無料で読めます。書籍へのページはこちらから!!

なぜ、スターバックスの創業者は、ビジネスマンではなく多読の作家だったのか?」
https://www.amazon.co.jp/dp/B09J3MVNQV

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読書の楽しみの半分は一人で読むこと、そして、もう半分はみんなでその内容について話し合うことです。

実際、本を全部読んだとか、内容や著者の主張をしっかりと理解しているかどうかといったことは、大して重要ではありません。

極端な話、1ページしか読んでいなくても、タイトルしか読んでいなくても、何か自分の意見を語ることに意味があるのだと言えます。

パリ第8大学のピエール・バイヤール教授は、著書「読んでいない本について堂々と語る方法」の中で、読んでいない本について堂々と語ることこそ、最も創作的な活動なのだと述べている。

なぜなら、あまりに本の内容に影響を受け過ぎてしまうと、自分の意見が無くなってしまい、自分自身が創作者になることができないからです。



そう言った意味では、電車の中にある本の広告だけを見て、「自然にお金持ちになる方法?そんなもんあったら苦労しねぇーよ!」と言ったり、本のタイトルだけを見て、「イーロン・マスクの仕事術?オレの生涯年収はイーロン・マスクの数時間分か。。」と考えるのも立派な創作行為なのだろう。

少なくても、異業種交流会、飲みニケーション、もしくは同窓会などよりも、違ったバックグラウンドを持った人達が、共通の話題を軸にコミュニケーションを取ることの方が、得られる視点の数は圧倒的に多くなるでしょう。

ぜひ、上記のリンクからグループに参加いただき、独自の意見を共有していただけると嬉しいです。

本の詳細「なぜ、スターバックスの創業者は、ビジネスマンではなく多読の作家だったのか?読書の生涯リターンは25%以上」


第1章 読書と年収 株式投資のリターンは年間8% 自己投資のリターンは年間25%以上



■本は100冊読むごとに、見える景色が変わっていく

■読書を一切しなかったドナルド・トランプや本田宗一郎はなぜ成功できたのか?

■ビジネスの世界は抜き打ちテストが当たり前。読書をしていなければ即落第

■動画は文字が読めない人のツール。ユーチューブを観ていたら確実にビジネスチャンスを逃す

■良い文章を書ける人をそばにおけ 「なぜイーロンマスクとベゾスは妻に小説家を選んだのか?」

■1日30分の読書で年間40%成長「将来もらいたい給料の3%を本に投資する」

第2章 読書と思考 「美味しいコーヒーを淹れる人」はたくさんいるが、「企業DNAを生み出せる人」はほとんどいない



■国の防衛費と同じように、給料の一部を精神武装費として使う

■本の重要な1%を理解するために、残り99 %を読む

■破る「型」が無い人に、「型破り」なことはできない

■なぜ、スターバックスの創業者は作家だったのか?

■ネットで知識を身につけることは、ポルノで性について学ぶのと同じ

第3章 AI時代の読書 グーグルやアップルの経営陣は絶対に自分の子供にスマホを使わせない



■AI時代は「答え」よりも、「答え」にたどり着くまでの過程が何百倍も大切

■大学教授とバックパッカーの話がなぜか薄っぺらく感じてしまう理由の共通点

■ビジネス書よりもSF小説に没頭するイーロン・マスクとジェフ・ベゾス

■漫画家に読書家が多い理由「読み手に想像力は必要ないが、作り手には圧倒的な想像力が必要」

■読書をすれば、遅刻や経費の無駄遣いは確実に減る

第4章 速読と熟読 電子書籍は速読のために普及し、 紙の本は熟読のために残り続ける



■電動歯ブラシを使う前に、手動の歯ブラシの使い方を覚える

■本を週一冊読む習慣をつくることは、136キロのバーベルを持ち上げるのと同じくらいきつい

■速読とは音楽を聴くように本を読むこと。言葉と思考のシャワーを大量に浴びる

■1日サボると自分が気づく、2日サボると妻が気づく、3日サボると世界が気づく

■1日1時間以上、読書をすると逆に読書習慣が乱れる

第5章 読書と健康 本を読んで新しい人に会わない限り、あなたは5年後も同じ人間のままである



■手っ取り早く健康になることは、ゆっくりと健康になることの100倍難しい

■絶望している時にこそ良本に出会う。恋愛本を理解できるのは大失恋した時のみ

■読書をしなければ、テクノロジーがあなたの未来を決めることになる

■恋人、家族、友人、親しくなりたい人に本を読ませることが、関係を深める一番の近道

■単語力が不足していると英会話は成り立たない。知識が不足しているコミュニケーションが成り立たない

■本を読んで、他人に依存すればするほど、その人はどんどん自立していく

■忙しいからこそ、人に会わなければならない

筆者のおすすめ書籍「 本をおかずにして、どれだけ別の事を語れるか」



■海外では村上春樹の本が万引きされる確率が圧倒的に高い 『職業としての小説家』村上 春樹

■レッドブルのための市場は存在しない。我々がこれから創造するのだ 『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』 ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー

■世の中は売上よりも挑戦を10倍評価し、挑戦自体が最大のコンテンツになる 『イーロン・マスク 未来を創る男』 アシュリー・バンス

■米国で初めて従業員全員に提供した健康保険の費用は、コーヒーの豆の費用よりも高かった『スターバックス成功物語』ハワード・ シュルツ、ドリー・ジョーンズ・ヤング

■半年で2冊しか売れなかった本が、世界中で読まれた書籍の歴代第6位になる『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ

■なぜ、明石家さんまは滅多に姿を見せない通夜に現れたのか? 『火花』又吉直樹

読書でビジネスの「型」を身につけなければ「型破り」なことは絶対にできない。


illustration by Leading Company

2021年4月アメリカの経済誌フォーブスが世界の富豪ランキングを発表し、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスが資産19兆4700億円で1位となりました。

2位は電気自動車「テスラ」と航空宇宙メーカー「スペースX」の創設者であるイーロン・マスクで、その後には、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ、投資家のウォーレン・バフェット、日本からはソフトバンクの孫正義さん、ユニクロの柳井正さんとビジネス界ではお馴染みの顔ぶれが続きます。

世界的大富豪の成功ストーリーは様々なところで語られている。しかし、僕がアドレナリン全開で常に興味をそそられるのは、こういった年齢や国、そして、生まれ育った時代背景が異なる成功者たちの間に、何か一つでも共通した要因がないかという部分。

その成功者に共通した要因は、「え? そんな当たり前のこと?」と言いたくなってしまうような単純なことであればあるほどいい。なぜなら、それを自分自身の生活に取り入れることで、少しずつであっても、ほぼ確実に成功者に近づけるからです。

今回、この本で取り上げる成功者の共通点は「読書」

世界の富豪ランキングでトップになったジェフ・ベゾスとイーロン・マスクは、子供の頃から、本の読み過ぎを親が心配するほどの読書家でした。

そして、さらに興味深いのは、二人とも最初の結婚相手に作家を選び、20代から30代にかけての、最も創造的かつ活動的であった時間を作家の妻と一緒に過ごしています。


世界的な大富豪は、子供の頃から親が心配するほどの読書家であった。illustration by Leading Company

また、ジェフ・ベゾスとイーロン・マスクは、子供の頃からSF小説を貪るように読んでいました。ビジネス書が5年単位の時間軸で物事を考えるのだとするならば、SF小説は30〜50年単位で未来を考えるのに役立ちます。

彼らのようなイノベーターは、SF小説を読んで30年後のイメージを頭の中に作り出し、そこから物理学、宇宙科学、経営学などの本を読んで、そのイメージを具現化させる方法を考えていくのです。

日本の富豪ランキングトップの孫正義さん、ユニクロの柳井正さんも大の読書家として知られています。

星野リゾートの星野佳路は経営の答えはいつも本の中にあると述べており、もし、教科書通りやって上手くいかないのであれば、それは理解が不十分で、取り組みが徹底されていないからだと断言する。


↑彼らは子供の頃に、SF小説を読むことで、30〜50年後の未来を思い描いていた。(illustration by Leading Company)

多くの人は勘とこれまでの経験を頼りに、独自の方法でビジネスをやってしまいがちです。

しかし、ビジネスパーソンとして確実な成功を収めたいのであれば、まずは本を読むことで、成功者のやり方を学び、自分の業界や状況に合わせて、応用を加えていくことが一番の近道であることは間違いないでしょう。

「型破り」なことをしたいのであれば、まずは破るべき「型」を身に付けなければならない。

1冊1500円程度で、既に成功した人のノウハウや科学的に上手くいくと証明された様々な「型」を学べるのだから、まずは本を読むことで、自分自身を一定のレベルのところまでもっていかなければ、新しいことなど決してできないだろう。

「型」のないところから「型破り」なイノベーションは決して生まれないのです。

ビル・ゲイツなど、大富豪の読書量は、年収300万円の人の38倍「株式投資のリターンは8% 自己投資のリターンは25%以上」

(illustration by Leading Company)

読書量と年収は比例するという話があります。日本のある調査によれば、一般的な20代〜30代の人は、1ヶ月間に約0.26冊の本を読むのに対して、30代で年収3000万円を超えている人は、平均9.88冊の本を読んでいるそうです。その差は約38倍。(1)

アメリカの調査でも、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような大富豪を含む富裕層が1日30分以上読書しているのに対して、年収300万円前後の人たちで、1日30分以上の読書をしていたのはたったの2%しかいなかったのだという。

長期的にお金を増やそうと考える時、まず頭をよぎるのが株式投資で、このような投資は、常に価格が乱高下し、暴落のリスクを抱えた上でのリターンは、楽観的に見積もっても年8%前後。

それに対して、自己投資のリターンは少なく見積もっても25%以上になるという話をどこかで聞いたことがあります。


↑年収3000万円以上の人の読書量は一般人の38倍。(illustration by Leading Company)

歴史上最も成功した投資家と言われるウォーレン・バフェットの過去50年間のリターンは、平均20%前後と言われている。

そんなバフェットが「結局、一番リターンが大きい投資は、自分自身への投資だ」と断言していることから考えても、自己投資のリターンが25%以上だと言う話は、十分納得できることでしょう。(2)

つまり、株式投資で世界一のリターンを生み出してきた投資家でさえも、自己投資こそが一番リターンが高い投資だと言っているわけですから、中途半端なお金しか持っていないのであれば、株やビットコインなどに投資するのではなく、全部「自分」にツッコんだ方が圧倒的に大きなリターンを得ることができるわけなのです。

孫正義は20代の3年半で3000冊の本を読破『すべてのLeader(リーダー)が、Reader(読書家)であることはほぼ間違い。』

(illustration by Leading Company)

株式投資で、人類史上最も高いリターンを生み出したウォーレン・バフェットは、仕事の80%の時間を読書と「考えること」に使うと述べており、毎日500ページ以上の読書をしています。(3)

バフェットは世界第6位(2021年)の資産家でありながら、徹底した倹約家でドがつくほど田舎、米国ネブラスカ州にある自宅からほとんど出ずに、ずっと読書をしている。

稀に出かける海外出張の際には、読書の時間を確保するためにプライベートジェットを使い、大量の本や資料を段ボール箱に詰め込んで出かけていく。(4)

ITという業界を超えて、世界中の様々な業界で活躍するビル・ゲイツは、出張に出る時、大きなトートバックに色々な分野の本を入れて、常に持ち歩くのだと秘書の女性が述べています。(5)

ソフトバンクの創業者である孫正義さんは、20代の時に肝炎で3年半入院した際に3000冊の本を読破、ユニクロを運営するファーストリテイリングのCEOで日本一の資産家でもある柳生正さんも、毎日16時には仕事を切り上げて、その後の時間を読書に費やす大の読書家であることは有名でしょう。


↑読書でビジネスの「型」を身につけて、「型破り」なことを行なっていく。(illustration by Leading Company)

ロケット開発から電気自動車まで、いくつもの異なった業界でイノベーションを起こし続けているイーロン・マスクも、南アフリカ共和国で過ごした幼少時代は、1日10時間、本を読むほどの読書家でした。

彼は、「ロケットの作り方をどのように学んだのか?」という問いに対しても、「シンプルだよ。本を読んで学んだんだ」と述べています。(6)

他にも、星野リゾートの星野佳路さんが「現場で起きる問題の解決方法は、本屋にある」と述べていたり、アリババグループの創業者、ジャック・マーが「何事においても、まず読むことが良いスタートになる」と述べていたりするなど、読書家であるビジネスリーダーを挙げればキリがありません。

そういった意味で、すべてのReader(読書家)が、Leader(リーダー)になるわけではないのかもしれませんが、すべてのLeader(リーダー)が、Reader(読書家)であることはほぼ間違いないと言えるでしょう。

読書を習慣化すれば、大富豪にはなれなくても、生涯お金に困ることはない。

(Pic by Natsume)

もちろん、読書をすれば、誰でも天文学的なお金を生み出す資産家になれるわけではありません。

でも、歯を磨いたり、お風呂に入るように、読書をライフスタイルの一部として、毎日1〜2時間欠かさず実行していけば、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような大富豪にはなれなくても、将来、お金に困ることはなくなるでしょう。

もし、年収を上げたいのであれば、独自で深く「どうやったら年収が上がるのだろうか?」などと考えるのではなく、まずはお金持ちが行っている習慣をそのままマネしてみるのが一番の近道なのだと言える。

読書や英語、そして、瞑想など、日々コツコツと積み重ねていっても、中々結果に表れにくいものというのは、「Jカーブの法則」に従って、「努力のリターン」を意識することが大切です。

読書に対する費用対効果は、毎月、毎年と少しずつ実るものではありません。

まさに、アルファベットの「J」を描くように、スタートした当初は努力すればするほど、結果の出ない深みにハマっていきますが、ある一定のポイントを超えると、一気に効果が実感でき、その後は、読書をすればするほど効果が実感できるようになっていきます。(7)


↑読書のリターンはある一定のポイントを超えると一気に加速する。(書籍「Jカーブの法則」を参考に作成)

これはスタートアップ企業の成長にも同じことがいえるのかもしれません。

現在、圧倒的な時価総額を持つアマゾン、フェイスブック、ペイパル、エアビーアンドビーなどの企業は、創業当時はとにかくお金と時間が出ていくだけの赤字経営で、全く収益化には繋がっていませんでした。

しかし、ある沸点を超えると一気にサービスは加速し、あとは労力を投資すればするほど、どんどん結果に繋がるようになっていったのです。

これは、読書も同じことで、熱を与え続ければ、いつか勝手に沸騰するお湯のように、沸点を超えるまで続ければ必ずリターンがあるというものなのでしょう。

読書量と年収が比例するというデータは、読書をしたから視野が広がり、好奇心が高まって年収が上がったのか、年収が高い人は常に広い視野を持って、好奇心旺盛だから、自然と読書するようになるのかは分かりません。


↑読書のリターンは沸点を超えれば、一気に加速していく。(Pic by Natsume)

どんな業界でも、年収が高い人は「プロ」と呼ばれます。でも、それは「プロフェッショナル」のプロではなく、その領域にたどり着くまでの「プロセス」をしっかりと行っているという意味での「プロ」なのです。

時代に求められる価値を提供する存在になるためには、読書をするというプロセスをたどらなければならない。

そして、時代に求められる価値を提供し続けるためには、読書をするというプロセスを継続し続けなければならないのです。

これが本当の意味での「プロフェッショナル」であり、年収などは、ただの指標に過ぎないのかもしれません。

スターバックスの創業者はビジネスには全く興味がない作家であった。

Pic by wikipedia (creative commons)

普段食べているものが、その人の身体をつくっていくように、普段読んでいるものが、その人の脳をつくっていきます。

当然、読書をせず、背景情報が切り取られ、「ざっくり」と要点だけがまとめられたWEBの記事だけを消費していれば、考える力も衰えていくことは間違いないでしょう。

生き物の心臓は生涯で約20億回打つといわれています。その過程で、ネズミのような体の小さい動物ほど心臓を打つスピードが速いため寿命は短く、ゾウのように体の大きい動物ほど、そのスピードが遅いため、寿命は長くなるのだそうです。(8)

深く考えることよりも、瞬時に反応することに価値を置くネットの世界に引きずりこまれると、人生がどんどん早送りになり、ネズミのように心臓を打つスピードがどんどん早くなっていく。

本を読むというのは、これとは真逆の行為です。読書を通じて余裕を持ち、深く考える時間を持つことで、早送りのネズミのように生きることが当たり前になった世界から一定の距離を置くことができます。


↑WEBの記事だけを消費していると、考える力が衰えて、深く考えることができなくなる。(Pic by Natsume)

ビジネスにおいては、TOEICやファイナンシャル・プランナーなど「スキル」を持った人の代わりはいくらでもいますが、読書を通じて、様々な物語を身体に染み込ませることで身につけた独自の「センス」や「感性」を持った人の代わりを見つけることはできません。

「いらっしゃいませ!」ではなく、「こんにちは!」で迎えてくれ、世界中どこに行っても居心地の良さを感じてしまうスターバックスの創業者は、国語の教師であったジェリー・ボールドウィン、歴史を教えていたゼブ・シーゲル、そして、本を読むことをこよなく愛する作家のゴードン・ボーガーでした。(9)

ゴードンは、2008年に行われたシアトルタイムズのインタビューで、ビジネス系の本に全く興味がなく、ローマ時代の歴史小説や第一次世界大戦、第二次世界大戦中に書かれたイギリスの小説をよく読むと答えています。(10)


↑スターバックスの創業者はビジネスには興味のない作家であった。(iStock)

「スターバックス」という名前は、アメリカの小説家ハーマン・メルヴィルの『白鯨』に登場するコーヒー好きの一等航海士「スターバック」(Starbuck)と地元シアトル近郊のレーニア山にあったスターボ(Starbo)採掘場に由来する。

スターバックスの人魚の独特なロゴも、船乗りと縁の深いギリシャ神話に出てくるセイレーンという人魚に由来しており、作家であったゴードンの個性が大きく反映されているといえるでしょう。

そして、3人の創業者たちがつくったスターバックスに感動したビジネスマンのハワード・シュルツがスターバックスを買取り、世界中に広げていくわけですが、シュルツはこの創業者たちを、「普通の経営者とは全く違っていた」として、スターバックスの理念を次のように述べています。(11)

「私たちの企業はコーヒーを人間が提供しているのではない。人間がコーヒーというものを提供しているのだ」


↑スターバックスのセンスは、読書家であった創業者たちの個性のかたまり。(Pic by Natsume)

実際、スターバックスでは、コーヒー豆にかかるお金よりも、従業員の健康保険に使うお金の方が多いのだという。

シュルツはスターバックスを約4億円で買収する前に、スターバックスを離れて、サード・プレイス主軸の「イル・ジョルナーレ」というカフェを立ち上げています。

シュルツの事業家としての才能を考慮すれば、わざわざ多額のお金を集めて、当時、数店舗しかなかったスターバックスを買収しなくても、スターバックスと同じコンセプトのカフェをつくり、それをどんどん広げていくことは十分できたことでしょう。

しかし、シュルツは事業家として、1を100や1000にする才能はあっても、0から1をつくり出す才能はなく、自身の理想を広げていくためには創業者たちが本を読むことで生み出した「センス」が何としても必要だったのです。


↑ビジネスマンであったシュルツは1→1,000→10,000にする能力はあっても、0→1を生み出す能力はなかった。(illustration by Leading Company)

シュルツは、思い入れのあった「イル・ジョルナーレ」という名前を捨て、「スターバックス」という名称に統一したことについて次のように述べています。
 
「スターバックスという名前には魔法のような力が秘められている。(中略) スターバックスという名前は、独特で神秘的な、しかも純粋にアメリカ的な雰囲気を堪えている」

もし、スターバックスの創業者たちが作家や教師ではなく、シュルツのようなビジネスマンであったら、現在のスターバックスのようなコンセプトのカフェは絶対につくれなかったことでしょう。

ゴードンは2007年のインタビューで、「(スターバックスをシュルツに売却せず)、もう少し長く関わった方がよかったと思うことはあるか?」という問いに対して次のように述べています。(12)

「あのタイミング(1987年)で、売却したことに後悔はないし、当時、これ以上スターバックスに関わることに興味はなかった。ビジネスのサイズ感に興味が持てなかったのです。」

よくイメージできないものは、マネージ(管理)できないといわれます。文字を追って意味を理解し、自分の頭の中で独自のイメージを構築して、新しいセンスや感性を育てるという意味では、読書ほど想像力を鍛えるものはないといえるでしょう。


↑本当の企業のDNAは、ビジネスとは全く違った部分から生まれる。(Pic by Natsume)

作家は、自分が見た風景や感じた感情を何度も何度もイメージして、文章に落としていきます。

宮沢賢治の本を読むと、どこからともなく虫の鳴き声が聞こえてきたり、村上春樹の小説を読むとなぜか色々と考えてしまうのは、作家のイメージする世界と自分の経験や感情が繋がってリンクしたからなのです。

文字から情報を得る読書のように、情報の解像度が低ければ低いほど、その部分を自身の想像力で補う必要があるため、想像力が鍛えられていきます。

まさに、僕たちが毎回スターバックスに行くたびに感じる不思議な感覚は、作家のゴードンを中心とする創業者のイメージしていた世界と僕たちの感情が繋がってリンクしたからこそ、生み出されるものなのだろう。

天才的なビジネスマンであったシュルツは1を1,000にも10,000にする力はあっても、作家のゴードンたちが行ったような0から1のセンスを生み出すことはできなかったのです。

スキルの代行はすぐに探せても、センスや感性の変わりは見つけられない「寿命が伸びるほど、読書のリターンは大きくなっていく。」


(Pic by Natsume)

最近、大手メーカーにはないセンスで、新しい家電を生み出しているバルミューダの創業者である寺尾玄さんは、昔は自分が経営者になるなどとは思っておらず、小説家か詩人になるのだと思っていたのだといいます。(13)

地方発のカッコいいアウトドアブランドとして、あのアップルも企業見学に来るともいわれるスノーピークの代表取締役会長の山井太さんも、学生時代は探偵小説や海外の作家の小説などを毎日1冊ほどのペースで読んでいたそうです。(14)

コーヒーショップをオープンしたければ、コーヒーが上手く挽ける人を探してくればいい。家電をつくりたいのであれば、設計のノウハウがある人に頼めばいいだろう。

スキルは検定や資格を持っている人を探してくれば代行が効きますが、スターバックス、バルミューダ、そして、スノーピークのように、人間味や感性を企業のDNAに埋め込める人は、なかなかいませんし、当然代わりを探すことも簡単ではありません。


↑スキルは変わりを探せるが、感性やセンスの変わりを探すことはできない。(Pic by Natsume)

ビジネスをする上で一番重要なことは、効率性でもなければ、生産性でもなく、希少性なのだとすれば、これからのデジタルシフトの中で、間違いなく希少性が高くなるのは、人間味や感性を持った人たちなのだといえる。

もうすでに、わざわざ理系と文系をわける意味が無くなってきているといわれますが、どんな分野で活躍する人を育てるにしても、良本を大量に読むことで形成された人間性や感性こそがすべての土台になることは間違いありません。

消費者の感性に触れる商品やサービスをつくるためには、まず美しい物語や感動するストーリーを自分自身の中に取り込まなければならない。

芸術家が本で読んだストーリーを一度プラモデルのようにバラバラにして、自分の感性を吹き込みながら音楽や映画を仕上げていくように、経営者は本から取り入れた感性やセンスを商品やサービスの中に組み込んでいきます。

アーティストには音楽、映画、漫画などといった表現方法があるように、経営者にはコーヒー、家電、アウトドアブランドなどといった異なった表現方法があるだけなのです。


↑これからはモノやサービスをつくるのではなく、モノやサービスでストーリーを表現していく時代。(Pic by Natsume)

お客さんを感動させようと思ったら、まずは自分自身が、様々な物語を通じて感動しなければならないことを、多くの経営者は気づいていないのかもしれません。

アメリカの調査では、子供の教育に1ドル投資することは、将来7ドルのリターンがあることが分かっており、オバマ元大統領は2013年の一般教書演説で、この調査を話に出して、子供の教育の重要性を力説しています。(15)

100年時代といわれ、人生が長くなればなるほど、幼少時、若い時に投資した読書のリターンが大きくなっていく。

仮に仕事が変わったりしたとしても、基礎的な人間力の高さは、環境にかかわらず常に持ち運べるポータブルスキルになっていきます。

あなたが何歳であっても、これからの人生で最も自分が若いのが今なのですから、無機質な社会で日々失われていく人間性を、読書を通じて回復していかなければならないのです。

漫画家に読書家が多い理由「読み手に想像力は必要ないが、作り手には圧倒的な想像力が必要」

(illustration by Leading Company)

少し意外に思われるかもしれませんが、漫画家には読書家の方が非常に多いのです。

特に手塚治虫や、ドラえもんの藤子・F・不二雄、そして、ワンピースの著者である尾田栄一郎さんは大の読書家として知られています。

漫画の「読み手」には、想像力は必要とされませんが、漫画の「作り手」にはキャラクターの表情や時代背景など、相当な想像力がないと描くことができないため、読書を通じて常に空想の世界に身を置いていないと落ち着かないのでしょう。

手塚治虫さんは、若い頃から周りの漫画家に「漫画は漫画から勉強するのではない。一流の映画を見ろ、一流の音楽を聴け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。そしてそれから自分の世界を作れ」と伝えていました。


↑「読み手」には、想像力はいらないが、「作り手」には圧倒的な想像力が必要。(Pic by Natsume)

宮崎駿も読書家として知られており、科学技術で空を飛ぶラピュタという島のイメージは、アイルランドの作家、ジョナサン・スウィフトの「ガリヴァー旅行記」からアイディアを得たものだといいます。(16)

デジタル技術の本質はコピーとダウンロードになるのだとしたら、もう、いつでもどこでもコピー・ダウンロードできるものは大して価値を持ちません。

そういった意味では、まだ当分は、人間の想像力をコピーして、自分の頭の中に取り込む時代は来ないでしょうから、想像力が持つ付加価値は、今後もどんどん上がっていくことになります。

宇多田ヒカルが名作の本を一度バラして、自分の経験や感情を加えながら作品を組み立てていくように、クリエティブな作業のほとんどは、何らかの素材からインスピレーションを得た想像力によって作り出されていく。


↑文字という情報量が少ないものほど、それを補う想像力が必要になるため、オリジナリティーは高まる。(illustration by Leading Company)

読書家であり、美しい歌詞を書くことでも知られるシンガーソングライター、米津玄師も次のように述べています。(17)

「美しいものって、分析して、勉強していった結果、身につくものだと思うんですよね。それをよく理解しないで、“ありのままの自分”とか“素の自分”って気持ちいい言葉でごまかして、自分がどこから生まれてきたのかを考えない。『つまんねぇな』って思います。『“素”って何だよ?』って」

第二次世界大戦前、トヨタがまだまだベンチャー企業だった頃、ある時、会社に泥棒が入って、自動織機の図面が盗まれてしまいました。

しかし、トヨタの2代目社長にもなった豊田 喜一郎は、当時、次のように言ったそうです。

「たしかに泥棒は、この設計図に従って織機をつくれるだろう。でも、わが社は織機を毎日改良している。泥棒たちが設計図から織機をつくったころには、わが社はそれよりずっと先を行っているだろう」

「やつらは最初の織機をつくった際の失敗から得られた知見がないから、設計を改良するにはずっと余計な時間がかかるだろう。図面が盗まれたことを心配する必要はない。いままでどおりに改良をしつづければよいのだ 」

つまり、2代目社長が言いたかったことは、同じ図面を見て、同じ部品でつくってモノを作ったとしても、人間の想像力というものがそこに加わらなければ独創性の高いものは作れないということなのでしょう。


↑美的センスは、美しいものを分析して、勉強することで身に付くもの。(Pic by Natsume)

宇多田ヒカルや宮崎駿と全く同じ本を読んでも、同じ想像力が生まれ、同じ作品が作れるわけではありません。

海外でもよく知られるトヨタの有名な持続的思考法「カイゼン」があるように、持続的な読書を通じて、本を書いた著者の様々な概念が混ざり合うことで、独自のオリジナルな想像力が生まれていきます。

まさに、これからは意識的、無意識的問わず「24時間、思考し続けられますか?」という時代。

何かを食べて、この食べ物が本当に栄養になっているのかとわざわざ確認などしません。種を蒔いて、本当に土の中で成長しているのかと、わざわざ掘り返して見ることもないでしょう。

本を読むことも、これと同じことです。やるべき「仕込み」をしっかりと行っていけば、あとは脳が勝手に思考し、想像力を働かせて、アイディアを生み出してくれる。
もしかすると、「時間が解決してくれる」、「時間を味方につける」ということの本質はこういったところにあるのかもしれません。

まとめ「本を買い過ぎて、貧乏になる人はいない」


20代の頃、「本を買い過ぎて、貧乏になる人はいない」という事を何かの本で読んだ時、正直半信半疑でした。でも、30代になった現在は、確信を持ってこの言葉を信じることができます。

これまで何冊ぐらいの本を購入したのかと思い、遡れる範囲で2016年頃から2021年までに購入した電子書籍の冊数を確認してみたところ4988冊でした。

これに加えて、電子書籍として販売されていない本や紙でじっくり読んだけれど、保管場所に困って業者に頼みPDF化してもらった本が2976冊ありました。
 
もちろん、この中には、買っただけで気分が乗らず読んでいない本を多くあれば、漫画もあるし、会社のスタッフが資料として購入した本も数多く含まれているので、実際、自分がどれだけの本に目を通したのかは正直よく分かりません(笑)。

2021年現在、コロナ禍で世界的に読書量が増えています。もちろん、リモートワークの影響などで、時間に余裕ができたということもあるのでしょう。

しかし、実際は、このコロナという外的要因を通じて、私たちが思考の変化を迫られているということを多くの人たちが理解し始めているからこそ、世界的に読書量が増えていると考えるのが自然なのかもしれない。



旅行中に読む本は、なぜか印象に残りやすいものですが、良くも悪くも現在のコロナ禍のような未知の体験をし、五感が敏感になっている時こそが、読書の味が身体に一番染み込みやすい時なのだろう。
 
恋愛小説の奥深さが理解できるのは失恋した時であるのと同じように、自分の人生が上手くいっていない時ほど、世の中が上手く機能していない時ほど、本の意味をより深く理解できるのは間違いない。そういった意味では、このコロナという大きな危機を決して無駄にしてはいけないのです。

今回、「本を読むことの大切さ」を1冊を通して、説明するということを試みた。本を読むことが大切だということは、ものすごく単純なシンプルなことです。昔から繰り返し、親や先生から何度も言われてきたことだろう。
 
実際、こういったシンプルで単純なことを伝えることが一番難しいのですが、逆に僕は、こういった単純なことを伝える難しさにこそ、面白さを感じます。
 
もしかすると、こういった面白さこそが、作家やマーケターとしての好奇心につながっていくのかもしれない。



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「なぜ、スターバックスの創業者は、ビジネスマンではなく多読の作家だったのか?読書の生涯リターンは25%以上」
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「一年半先を行く読書会」と題して、Facebook グループページLineのオープンチャット(匿名で参加)を作成致しました。本やコンテンツを通じて、様々な人達と繋がり、議論していく場を作っていきたいと思います。本の感想もぜひコミュニティ内で共有して下さい!!



Facebook グループ
https://www.facebook.com/groups/237180365067702

Lineのオープンチャット
https://bit.ly/3q8B1ON

Note

1.Yahoo Japan ニュース『衝撃!年収3000万円、高給取りの「読書量」は一般会社員の38倍』2021年7月23日 2.Yahoo News (US) 『Warren Buffett shares his keys to success』2019年4月19日 3.CNBC (US) 『Berkshire Hathaway star followed Warren Buffett’s advice: Read 500 pages a day』2018年3月17日 4.尾藤 峰男『バフェットの非常識な株主総会』(ビジネス社、2017年) 5.Netflix『天才の頭の中: ビル・ゲイツを解読する』(2019年) 6.Inc.『In Just 3 Words, Elon Musk Explained How You Can Become Expert at Anything (Even Rocket Science)』2020年10月31日 7.野崎美夫『Jカーブの法則』(フォレスト出版、2010年) 8.本川 達雄『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学』(中央公論新社、1992) 9.ハワード・シュルツ、ドリー・ジョーンズ ヤング『スターバックス成功物語』(日経BP、1998年) 10.The Seattle Times『Starbucks co-founder talks about early days, launching Redhook and Seattle Weekly, too』2008年3月 11.REAN.THINK.ACT『We’re in the People Business』12.The Seattle Times『Starbucks co-founder talks about early days, launching Redhook and Seattle Weekly, too』2008年3月13.寺尾玄『行こう、どこにもなかった方法で』(新潮社、2017年) 14.山井 太『スノーピーク「楽しいまま! 」成長を続ける経営』(日経BP、2019年) 15.Washington Post『Obama’s claim that every dollar spent on pre-kindergarten education earns ‘$7 back’』(2015年4月) 16.スーザン・ネイピア『ミヤザキワールド‐宮崎駿の闇と光』(早川書房、2019年) 17.Real Sound 『米津玄師が語る、音楽における“型”と”自由”の関係「自分は偽物、それが一番美しいと思ってる」』(2017年10月)














































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