モノの価値が下がり、お金の価値が上がるデフレの社会では、お金を貯めて倹約をし、新しいことに挑戦しないという生き方が、結果的に賢い生き方だったのかもしれない。
こういった状態が何十年も続いてしまったことで、日本経済はどんどん停滞してしまった。
しかし、これからやってくるであろうインフレ時代は、これまでとは逆のことが起こり、新しく会社をつくったり、転職したりして、新しいことに挑戦する人たちがどんどん報われるようになっていく。
世界一の投資家、ウォーレン・バフェットは「資産10兆円90歳の私より資産0円20歳の若者の方が価値がある」と言いました。
松下幸之助も「若さをもっているだけでもえらい。」と述べている。(1)
↑若さをもっているだけでもえらい。
もし、誰かが10億円をくれると言ったら、大抵の人は喜んで受け取ることだろう。でも、10億円を受け取ったら、明日の朝には死んでしまうということになったら、恐らく誰もお金を受け取らない。
つまり、言い換えれば、明日の朝、目を覚まして、人生を継続していくことには、少なくても10億円以上の価値があるということなのでしょう。
恐らく、お金の価値を最大化できるのは、遅くても40代くらいまでなのではないだろうか。
若さとは、日々確実に失われていくリソースであるとするならば、特にこれからのインフレ時代は、20歳なら20代という若さを、40代なら80代の半分にしか満たない貴重な若さをとにかく大切にしなければならないのだと言える。(2)
仮に失敗が100回続く「100回のNOダンス」が続いたとしても、「打たないシュートは100%外れる」ことを考えれば、上手くいくことが見つかるまで、何度も繰り返し挑戦することに価値があるのでしょう。
↑若さとは、日々確実に失われていくリソース。
よく人を老いるから走れなくなるのではなく、走らないから老いていくと言われる通り、人は新しいことに挑戦し続けることで「若さ」を得えることができるのでしょう。
「SFの父」と呼ばれるジュール・ガブリエル・ヴェルヌは「人間が想像できることは、必ず実現できる」と言いました。
そう言った意味では、もし挑戦すべきことが見つからないのであれば、想像力を掻き立てることには惜しみなくお金を使うべきなのだろう。
お金を失うことよりも、若さを卒業しそこねたグロテスクな大人になってしまうことの方が、何倍も怖いのだから。
Note
1.松下 幸之助『人生と仕事について知っておいてほしいこと』PHP研究所、2009年 2.南章行『好きなことしか本気になれない。 人生100年時代のサバイバル仕事術』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年
参考書籍
◾️木村 東吉『ロング・ロング・トレイル』産業編集センター、2018年 ◾️小池一夫『人生の結論 』朝日新聞出版、2018年 ◾️安宅 和人『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育』ニューズピックス、2020年