July 5, 2019
ワンオクにHondaイズムは代行できない「好きな企業が自ら歩み寄ってくると、ブランドは衰退していく。」

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最近、アーティストが企業の広告に出る量が増えている気がします。

企業がモノを買わない若い世代にアプローチするための手段なのか、それとも、CDがドル箱産業ではなくなった時代のアーティストの新しい稼ぎ方なのでしょうか。

例えば、日本で毎年出る車の新作には、大して目新しい部分は見当たりません。

車がどこかにぶつかりそうになったら、アラートで知らせてくれる機能は、きっとあったら便利な機能なのでしょう。

でも、それを最新の目玉機能として宣伝しているところを見ると、車のイノベーションは確実に終わりを迎えているように感じますし、これはタレントを広告塔に起用している日本の家電メーカーなども同じことなのかもしれません。







中国の電気自動車BYDのお店に行った時、レオナルド・ディカプリオが広告塔をつとめていました。

きっと、これはタレントを起用することで、中国企業のあまり良くないイメージを払拭させるためなので、日本企業のタレントの起用の仕方とは、また違ったものなのでしょう。

最近、Radwimpsや米津玄師などのアーティストが映画のために歌をつくることが当たり前になっていますが、何でも今回ホンダのCMに登場したONE OK ROCKはホンダのテレビCMのために新しい曲を書き下ろしたのだと言います。

昨日、テレビで放送された「君の名は。」はアニメーションと音楽という別の業界で活躍するアーティスト同士の最高のコラボレーションだろう。

でも、ホンダのCMを見ると、人気のアーティストを前に出すことで、車自体は特に何も変わっていないことをごまかそうとしているようにも感じられます。









本田宗一郎がオートバイを作ろうと思ったキッカケは、自転車で苦労して買い物をしていた妻の姿と50ccのエンジンが結びつき、自転車にエンジンをつけたら買い物が楽になるという発想が湧いた時でした。

好きなブランドが向こうからすり寄ってくるのが分かると、ブランドはどんどん衰退していく。

確かに、時代はモノからコトへシフトしているのかもしれないけど、それはデザインやモノが感性に訴えかける部分のことを指すのであって、ただ広告のクリエティブだけに力に入れれば良いというわけではないのだろう。









商品やサービスに目新しさがない物ほど、企業の方からどんどんこちらに歩み寄ってくる。

消費者からすれば、広告費を削って研究費を増やし、まだ見たことのない車の世界を見てみたいと思っていることだろう。

Hondaのファンが求めている本当の「Hondaイズム」はONE OK ROCKではとても代行できないのだから。

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