May 22, 2018
名刺に個性はいらない。自信や実績がある会社ほど名刺がシンプル。

三井住友銀行に25年勤めていた菅井敏之さんによれば、世の中には信頼できる名刺とそうでない名刺があるのだと言います。

信頼度の低い名刺というのは、その人の名前が毛筆で太く大きく書かれたもので、これは本人が達人的な要素をアピールしたい気持ちとは裏腹に自己顕示の強さが自然と相手に伝わってしまうのだそうです。

また、起業したばかりの人は情熱のこもった夢言葉などを名刺に入れてしまいがちですが、ちょっと経験豊富な人の目には逆に胡散臭く見てしまいます。

銀行マンからしてみれば、一番信頼できる名刺というのは、必要な情報がただシンプルに記載されているもので、確かに不思議と歴史と実績がある企業ほど自信の現れなのか、名刺はものすごくシンプルなものが多いです。

ファッションショーなどでも、しっかりと実力を持っているデザイナーほど服がシンプルで、そうでないデザイナーほどやけに派手で、自分の個性を周りにアピールしたいと言わんばかりの「クリエイティブっぽい格好」をしているように思います。

基本的に「個性」や「他社との違い」などと言うものはつくろうと思ってつくれるものではないでしょう。

会社や個人が何かを生み出していく過程で、考え方や発想力の違いが抑えきれずに溢れて出てくるものが「個性」であり、「他社とは違う名刺にしよう」という発想自体が、自分たちには他社とは違った部分が何もないこと認めているようなものではないでしょうか。

少なくても、手っ取り早く名刺で「個性」や「他社との違い」を見せつけようとしたってできるはずがありません。

だって、本当の「違い」とは、抑えたくても抑えきれずに溢れて出てくるものなのですから。

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