February 1, 2016
今すぐ夢を行動に移せば成功する確率は39%、経済的な安定を優先すれば、その確率は0.08%

イラスト by リーディング&カンパニー

お金で人のモチベーションを上げることで、クリエイティビティが損なわれたり、お金と幸福度の関係は年収800万円を機に比例しなくなるなど、いくら科学的根拠を見せられても、なかなかお金に対する不安は消えず、もっとお金を稼ぎたいという欲求が消えることはありません。

不況が長く続き、将来に対しての不安が多くなってくると、まずは経済的に安定した職業を選び、その後に自分の理想の人生を追いかけますが、米国のジャーナリストであるスラリー・プロトニックが、1960 年〜1980年に行った調査では衝撃的な結果が明らかになりました。


↑まずは経済的な安定を築いてから、自分の夢を追いかける。(Flickr_Tax Credits_CC)

プロトニック氏は、ビジネススクールの卒業生1500人を対象に、「今すぐ夢を追いかけるか、それとも、まず先に経済的な安定に役立つ職業を選ぶか」という質問をぶつけたところ、83%は「経済的な安定を確保してから夢を追いかける」と回答し、「すぐに夢を追い、お金のことは後で考える」と回答したのはたった17%しかいませんでした。

しかし、それから20年後、夢だった仕事を選んだ卒業生255人のうち、100人が大富豪になっており、収入第一で仕事を選んだ卒業生1245人のうち、最終的に大富豪になっていたのはわずか1人だったそうです。


↑今すぐ夢を追いかければ、経済的に成功する確率は39%、自分の夢を後回しにすれば、その確率は0.08%。(Flickr_hackNY.org_CC)

上記の調査からも、自分の人生を犠牲しても良いと思えるほどの強い思い入れや目的がなければ、夢を実現することは極めて難しいことが分かりますが、10代の頃に、「志高く」と目標を掲げた孫正義さんは、卒業を間近に控えた高校生に
次のようなメッセージを送りました。

「自分の夢を明確に持たず、自分の人生に対するビジョンも持たずに、ただ生きていくために給料をもらいにいく。”でも現状、それしか仕方がない”と言ってる間に人生はあっという間に終わるから 。あっという間ですよ!」


↑本当にあっという間ですよ。(イラスト by L&C)

目先の利益には一切気を止めず、超長期思考で物事を考える、アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは1997年にアマゾンが上場を果たした際、早く黒字化して収益を伸ばせという投資家の声に一切耳を貸さなかったため、多くの人たちはアマゾンの株を売ってしまったそうです。

しかし、自分の明確なビジョンを信じ切っていたベソスは、数10年かけてビジョンを実現させ、2012年には、アマゾン株に上場時の100倍以上の値がつき、多くの投資家が売ったことを後悔しました。


↑短期的収益など一切無視。長期的なビジョンだけが莫大な利益を生む。(Flickr_Dan Farber_CC)

ビジョンに関しては、個人も企業も同じことが言えますが、不思議なことに、そのビジョンが大きければ大きいほど、現在の給料や収益に反映しないのかもしれません。

2006年、ヤフーが当時1円も売上がなかったフェイスブックに約1000億円で買収を提示してきましたが、マーク・ザッカーバーグは取締役会にやってきて次のように述べたそうです。

「オッケー、じゃ、形式だけ、ちゃちゃっと10分以内に済ませちゃいましょう。ここで売るとかありえませんよね。」


↑オッケー、買収の話なんか10分以内に済ませちゃいましょう。(Flickr_Andrew Feinberg_CC)

フェイスブックの初期投資家としても知られている、ピーター・ シール氏によれば、大企業が優良なスタートアップを買収する場合、買収額は高すぎるか低すぎるかのどちらかしかなく、創業者がどれだけ固い意志を持っているかで企業価値が決まり、明確なビジョンを持っている創業者にとってはどんな価格でも安すぎるため、会社を売却することはないそうです。


↑自分の 夢が明確なら、住む場所と食べ物が確保できたら、行動に移しても大丈夫。(image:L&C)

最近では自分のビジョンが分からず、とりあず起業家になりたいという若者が増えているそうですが、かのスティーブ・ジョブズは、そんな若者に対して「自分が本当に情熱を傾けられることが見つかるまで、ウェイターか何かの仕事をするんだな。ウェイターだって大変な仕事なんだから。」とアドバイスをしていたそうです。

ジョブズと共に一つの時代を作り上げた孫正義さんも
次のように述べています。

「自分の持った夢に、自分の人生はおおむね比例する結果を生む。小さな夢だったら、その夢の範囲の中で80%達成できるか、それとも50%達成できるか。だからできるだけデカイ夢を持った方がいい。でも夢の大きさっていうのは何も金額的な大きさでなくてもいいと思います。私は”世界一おいしいパンケーキを作る人になりたい”ということだって、でっかい夢だと思います。」


↑本当に情熱を傾けられることが見つかるまで、ウェイターでもしてろ。(Flickr_Detroity2k_CC)

常に時代の5年先から10年先は、2015年現在の世の中に見え隠れしていますが、結局、どれだけ情熱を持ってリスクを取り、行動できるかの違いなのではないでしょうか。

マーク・ザッカーバーグは2010年のタイム誌で、「今年の人」として表紙を飾り、インタビューで次のように答えました。

「あの当時のことで、とにかく異常だなと思うのは、大学時代に友達と交わした会話を覚えているんです。世の中が今みたいな状況になるという前提で物事を考えていました。でも、僕たちはただの大学生じゃないかと。そんな大それたことを実現する最適任者が、僕らだったなんて。こんなおかしいことはないですよ。(しばらく間を空けて) 後からわかってきたことなんですが、おそらく他の人たちは僕らほど気にしていなかったということなんでしょうね。」


↑2004年の時点で、ある程度時代の先は見えていたのに。多分、誰もそれを気にしなかったんじゃないかな。(Flickr_JD Lasica_CC)

孫さんの言う通り、”でも現状それしか仕方がない”と言ってる間に人生なんかあっという間に終わってしまうような気がします。

日本を代表する芸術家、岡本太郎さんはかつてこう言いました。

「自分は迷ったら、必ず危ないほうの道を行く。だってそのほうが面白いじゃないか。」

もし今、毎日の生活がつまらないと感じたら、まだまだ十分なリスクを取っていないのかもしれません。

/DO_IT_NOW