November 13, 2019
手塚治虫「過去はすでに起きた未来。未来はこれから起きる過去」歴史は韻を踏みながら少しずつ変化していく。

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最近、海外で若者に人気の街に行くと、「HOTEL」,「RESTAURANT」,「CAFE」などと書かれた大きなオブジェを入口にドーンと置いてあるお店をよく見かけます。

「自分たちはホテル屋です。自分たちは食べ物屋です。」などとわざわざ言わなくても、雰囲気や外見で何となく分かります。

でも、わざわざ「HOTEL」,「RESTAURANT」と強調しているのは、もうほとんどのホテルや飲食店がオシャレになり過ぎてしまって、昔ながらの「theホテル」、「theレストラン」が珍しくなっているからなのでしょう。















例えば、ホテルは外見やアメニティに力を入れ過ぎてしまって、旅の中の一番の楽しみである他の旅人との触れ合いがどんどん減っています。

レストランも食べ物が出てくるスピードや、簡単にお金が払える決済システムばかりに力を入れてばかりで、肝心の材料や鮮度は二の次になってしまっていることも多いのではないでしょうか。

手塚治虫さんはマンガ「火の鳥」の中で、「過去はすでに起きた未来。未来はこれから起きる過去」という言葉を残しました。

つまり、世の中が便利になり、人工知能やテクノロジーが人間の仕事を一通り奪った後は、また一周まわって、産業革命以前の人間ならではの価値観が重要になるということです。







そういった意味では、未来を知りたいのであれば、産業革命以前、情報革命以前に日本を含めた世界の人達がどんな生活をしていたのかという歴史を学ぶ必要があるのかもしれません。

よく歴史は繰り返すと言われますが、実際は全く同じ歴史が繰り返されるわけではなく、アメリカ人作家のマーク・トウェインが言ったように、歴史は韻を踏みながら少しずつ変わっていきます。

AIで人類の生活が激変するなんて言われているけど、実際はそんなに大して変わらないのではないでしょうか。

少なくても、100年に一度、1000年に一度の大変革が起こったとしても、人類は進歩の「韻」は踏み外すことはなさそうです。

/FUTURE_AS_RHYME