April 27, 2017
さっさとGWを廃止しろ「GWは企業にとって、短期間で、どれだけ多くの観光客を効率よくさばけるかのマネーゲーム。」

1949年からスタートした「ゴールデンウィーク」ですが、そもそもの起源は日本の映画界が、短期間にプロモーションを集中させて、映画館への動員客数を増やそうとしたことが始まりらしく、70年近く前に作られた制度が現在も当たり前のように使われています。

もう、当たり前の光景ですが、GWになると、普段は家族サービスをできないサラリーマンの方々が一気に観光地を訪れ、新幹線は乗車率は120%、高速は果てしない渋滞で、宿泊先の料金は上がり、どこに言っても休暇でリラックスするどころか逆に疲れが溜まってしまうことでしょう。


↑GWはそもそも、お客側の都合を無視した企業側の戦略である。

また、観光客を迎える企業側にとっても、GWは特に特別な付加価値を提供しなくても、お客さんは来てくれますし、とにかくもの凄い人の数でごった返すため、「もてなす」という視点よりも、どう効率的にお客さんをさばいて利益を増やすかという短期的な視点でしか、物事を捉えることができません。(1)

日本は世界で5番目に祝日が多い国です。しかし、観光需要は土日と祝日、GW、お盆、そして年末年始という特定の100日に集中しており、残りの265日はホテルや観光地の稼働率が低く、企業は派遣社員に頼らざるを得ないなど、観光業界全体の生産性を落とす大きな要因となっています。(2)


↑短期間でお客を集めて、効率よくさばこうとするため、実際はお客をもてなすどころではない。

星野リゾートの星野佳路さんは日本人が有給を取りにくい本当の理由は、職場の制度や文化の問題ではなく、祝日と休日だけで年間100日以上休んでしまっているからだと指摘し、GWなどの大型連休は全国5ブロックに別けて習得すれば、日本の旅行文化に大きな変革を起こすことができると言います。

加えて、個人、ビジネス、そして社会に相互利益をもたらすための「タイム・オフ・プロジェクト」という研究によれば、アメリカの労働者がすべての有給を消化した場合、アメリカ国内で120万の雇用が創出され、それによって、約20兆円の売上増加、さらに、2兆5000円の税収増を生み出すことができるのだそうです。


↑「休日=混雑」の概念が無くなれば、日本の旅行文化を大きく変えることができる。

本田宗一郎さんは年間5500時間(1年間1日も休みなしで、1日15時間)を35年続けるほどの仕事人でしたが、遊ぶ時は徹底した遊び人で、遊ぶ時間を確保するために、床屋に行く時間も惜しいとして次のように述べています。

「遊ぶ時間のない人生なんてばかばかしい。 働くに働けなくなっちゃう。それを床屋にみんなとられて平気でがまんしているなんて、 私みたいなのにはとても耐えられない。 遊んだ方がよほど有効だ。私は床屋へ行くために働いているんじゃないの。」

GWに、のこのこと人の多いところに遊びに行く人達は、恐らく遊びの本質を理解していない人達でしょう。

自分が好きな遊びや休日に本気になれない人が、仕事に対して本気になれるはずがありません。

参考書籍

デービッド アトキンソン「デービッド・アトキンソン 新・観光立国論」東洋経済新報社、2015年 Kindle 2.藤原 和博「不可能を可能にするビジネスの教科書 星野リゾート×和田中学」筑摩書房、2011年 P173 3.小室 淑恵「労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる」毎日新聞出版、2016年 Kindle

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