シリアルがのっているドーナツがどんな味かなんてことは、どれだけ人から話を聞いても、レビューを読んでも分からない。
現在、貧しいアフリカの人達でさえ、携帯電話を持っていれば、1990年代のクリントン大統領よりはるかに豊富な情報にアクセスすることができます。
でも、逆に溢れる情報を消費しすぎてしまったがために、分かっていないことを、分かっているように感じてしまっていることも多くあるのでしょう。
↑自身の細胞を通して、体験しないと分からないことが世の中には山ほどある。(LC.inc)
ラジオが世の中に広まった時、電波から送られてくる情報をだけを信じて、自分が実際に見たこともないものに、どんどん投資した結果、世界恐慌が起こりました。
この傾向は、いまの時代も同じで、Web上に情報が増えれば、増えるほど、分かっていないことを、分かったつもりになっている「情報デブ」は増えてくることでしょう。
当たり前のことですが、クリエティブ産業のトップにいる人達は、雑誌やキューレーションサイトなどで情報収集をするのではなく、時間をかけて原書を読んだり、現地に行って物事を体験し、直接話を聞くなどして、新しい付加価値を生み出していきます。
↑クリエティブな人ほど、インターネットという「効率」を徹底的に避ける。(LC.inc)
それは、どれだけグーグル検索を深掘りしても、SNSのタイムラインを注意深く眺めても、インターネット上に宝が存在しないことを本質的に理解しているからでしょう。
そういった意味では、終身雇用と高額な住宅ローンで身動きが取れず、Web上の情報だけを見て分かったつもりになる人が増えれば増えるほど、世界がおかしな方向へ向かっていってしまうのかもしれません。
インターネットが一番不得意とする質感、温度感、そして、空気感を感じる旅に出かけなきゃいけないな。