観光地に行って美術館に行き、芸術作品を見て感動することもあれば、この作品はこれだけ歴史があって、有名な芸術家がこういった理由でつくったんだという理論上の凄さは理解できても、なぜか直感的に何も感じない芸術作品も多くあります。
むしろ、美術館にきれいに飾ってある芸術よりも、街の中にちょろっと描かれた落書きや、街と何の違和感もなく一体化しているアートを見て感動する頻度の方が圧倒的に多いのかもしれません。
現代の芸術は美術や彫刻だけではなく、テクノロジーの進歩によって、鉛筆がキーボードに、キャンバスがPCのディスプレイになったりします。
最近では、最新のテクノロジー技術を使って、建物や空間に映像を映し出すプロジェクション・マッピングも立派なメディアアートとしての価値を生み出しているんだろう。
人間の美的感覚は10年、100年単位で常にアップデートされており、芸術自体も最新のテクノロジーを最大限導入して新しく変化させていかなければならないのでしょう。
チームラボの猪子さんが、パリのルーヴル美術館にあるモナリザの前が混んでいて嫌な気持ちになるのは、絵画が「インタラクティブ(双方向的)」ではないからだと指摘しています。
つまり、インタラクティブなコンテンツとは、観客と芸術との間に会話が生まれたり、芸術が街並みにマッチすることによって、芸術自体の価値がどんどん膨張されていくものだと言えます。
そう言った意味では、そのコンテンツを一緒に見る人や、そのコンテンツが存在する街自体も、コンテンツの一部として考えるべきなのかもしれません。
インターネットが視覚情報、音、そして、文字情報を伝えるのが得意なのに対して、芸術はインターネットが不得意とする空間、質感、空気感など伝達を軸につくられているのであれば、芸術というものはもっと美術館の外に出してあげて、インタラクティブなものにしてあげるべきなのではないでしょうか。