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JALの凄いところは、外国から日本に帰ってくる時、飛行機に一歩踏み入れた時点から、日本に帰ってきた感じがするところだ。
機体は物理的には海外にあっても、機内の中だけは日本なのだろう。
海外で疲れ切った身体に、あの「お帰りなさいませ」は本当に癒されます。
アメリカや欧州などに行くとなれば、少なくても10時間以上は狭い機内の中に閉じ込められることになる。
目的地に着く時間は同じなのだから、どの航空会社でも大して変わらないという人も多い。でも、ひと昔前は、「ボーイングに乗った」と言っていたのに対して、いまは「JALに乗った」という言うところから見ても、機内で過ごす時間の質に大きな違いがで始めているのだろう。
経営破綻前にJALに乗ったことがないので何とも言えませんが、破綻前のJALの幹部は本物の官僚よりも、官僚的で、経営に精を出すよりも社内調整や政府の交渉にいそしむことを「仕事」だと考える、典型的な大企業病にかかった会社だったそうです。
そんな中、稲盛和夫さんが絶対に辞めた方がいいと言われたJALの再建を引き受けたの本当の理由は、「これだけ腐り切ったJALを立て直すことができれば、苦境に立っているすべての日本企業が『JALにできるのであれば、自分たちにもできるはず』と奮闘してくれるのではないか」という経営者としてのラスト・メッセージを伝えたかったからだと言います。
稲盛さんが人が住んでいる家は中が生き生きとしているけど、人が住んでいない家はお化けが出そうなくらいどんよりしていると仰るように、JALとLCCで機内の雰囲気が全然違うし、海外の航空で機内に入った瞬間に「日本」を感じさせる技術には、まさに芸術性を感じます。
いまのJALに乗れば、日本の強みを最大限に生かして、どんな大企業でも生まれ変われるのではないかという希望を感じ取ることができるのではないでしょうか。