May 25, 2018
1ヶ月で10キロ痩せるより、1年で10キロ痩せる方が数倍えらい。

もうダイエットはニーズが決して無くならない挫折ビジネスになりつつあります。

1ヶ月で10kgも痩せ、周りからの見られ方が変わって、人生が劇的に変化したなんて言うサクセスストーリーをよく聞きますが、いま世の中に求められているのは、本当に毎日コツコツ、地味に地味に努力を重ねて習慣をつくっていくという考え方なのでしょう。

持続的な習慣性を考えれば、1ヶ月で10k痩せるよりも、1年間で10kg痩せた方がすごいのではないかと思います。

自分の習慣を変えるには、生活の全部を変えようとするのではなく、1日の中の1時間の使い方を変えるように意識するだけ上手くのだと言います。人がある習慣を身につけるためには、同じ行動を66日間続ける必要があると言われますが、何十万円ものお金をダイエットクラブに払うという行為は自分の意思の弱さをお金でカバーするだけのものなのではないでしょうか。





人間は一面において熱くなりやすく、またその反面すぐに冷めやすいという特性を持っており、どれだけ固い決意をしても、何もしなければ次第にその意思はどんどん弱くなっていってしまいます。

そのため、昔の中国の人は、自分の決意を忘れないように堅い薪の上に寝たり、苦い熊の胆をなめたりして、自分の決意がゆるがないように工夫していたそうですが、何かを長期的にやりぬく力は生れつきの才能に関わらず、じっくり時間をかけて身につけるものなのでしょう。

毎日ランニングするという行為は、健康を維持するという目的がある一方で、何か長期的なことを成し遂げるための意志の筋トレだと言うことができるのかもしれません。







何でもアメリカでは4年制の大学を卒業した人よりも、2年制の短大(コミュニティ・カレッジ)を卒業した人の方が「やり抜く力(グリット・スコア)」が高いという調査結果があります。

これは、アメリカでは2年制の短大の中退率が80%を超えており、そのような業況でもめげずに卒業しようとする意志の力は、学力とはまた別の価値の高い能力だと言えるでしょう。

高いお金を払って、数ヶ月間、意思の力を持続させたところで果たしてそれがどれくらい意味のあることかは分かりません。村上春樹さんランニングすることをもう30年近く続けていて、昔、「人生で成功する秘訣の80%は、めげずに顔を出すこと」と言った人がいましたが、自分で意思で増やしてしまった体重はお金の力ではなく、自分の意思の力で減らしていきたいものです。

参考書籍

アンジェラ・ダックワース「やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」ダイヤモンド社、2016年 Kindle/松下 幸之助「人を活かす経営」PHP研究所、2016年

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