September 3, 2017
渋谷都市開発「金持ちは街の文化なんて気にしない。」
















渋谷でオフィスとして使っている場所の家賃が上がるという連絡が来ました。

渋谷の大規模化な都市開発が進んで、不動産の価格がどんどん上がっているんだろうけど、だんだん渋谷が若者の街というよりは、人工的な大人の街になってきているような気がします。

色々な都市開発の本などを読んでいても、不動産の価格が上がるとアイディアとやる気は十分にあるけど、お金がない若者が街に入って来れなくなるため、街の創造性が下がるんだそうです。

パリも同じように、昔は偉大な芸術家が修行時代を無一文で過ごしたなんていう話がたくさんありますが、もちろん、今は物価が上がり過ぎてしまって貧乏な芸術家なんかはとてもパリなんかには住めないでしょう。

新しい渋谷のシンボルとして2012年にオープンした「渋谷ヒカリエ」のコンセプトとは「大人の渋谷へようこそ!」みたいな感じだった気がします。

ようは、若者がどれだけクリエティブでやる気があっても、お金を落としてくれないから、大人の街にしようという設定なのかもしれませんが、ヒカリエのレストランはやっぱり高いし、外見ばかりにお金がかかっていて、基本的にほとんど美味しくない。

今はクリエティブ都市として知られるベルリンは、ベルリンの壁が無くなってから、大規模な都市開発が進みました。

だけど、現在のスタートアップ文化やテクノミュージック、そしてアートの街をつくっていったの当然のことながら、東急みたいな都市開発の人たちではなく、廃墟のようなビルに入り込み、カフェやアトリエ、シェアオフィスを自分たちでつくって、独自の文化を作り上げていった若者たちでした。

「金持ちは文化なんて気にしない」なんてよく言われますが、東急さんも勝手にどんどんビルなんかを建てないで、変人やはみ出し者を都市開発に参加させたら、渋谷はもっと面白くなって、人工的な街じゃなくなると思うんだけどな。

シェイクスピアの名言である「都市とはその人々でなくてなんであろう」という言葉をもうちょっと真剣に考える必要があるんじゃないか。

/MAINTAIN_SHIBUYA_CULTURE