この宇多田ヒカルが出演しているサントリー 「南アルプススパークリング」のCMは前回の奥大山(鳥取県)、前々回の南アルプスに引き続き、国内のどこかの大自然の中で撮影されたそうですが、CMで使われている「Play A love Song」の一部の歌詞はCMの撮影中に思いついたのだそうです。
宇多田ヒカルは宮沢賢治から大きな影響を受けていると言います。宇多田ヒカルの母が宮沢賢治と同じ岩手県出身なため、彼女自身も岩手を何度か訪れ、創作のインスピレーションを受けていました。
宮沢賢治が物語をつくる時は、机の上で難しい顔をして原稿を書くのではなく、鉛筆とノートを首からぶら下げて岩手県花巻の自然に飛び込み、そこで何かを感じとってそれを文字として落としていったそうです。
「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。」(注文の多い料理店)
最近ではこの「風を食べる」、「日光を飲む」などと言った賢治の特殊な感性は「共感覚」というキーワードで研究されています。色が聞こえたり、匂いの味がすると言ったように、一つの刺激に対して、ふたつ以上の感覚が反応してしまう状態のことのようです。
芸術家はこういった感覚を利用して、創作活動をすることも多いと言いますが、もしかすると、宇多田ヒカルの歌から感じる不思議な感覚はそういったところから来ているのかもしれません。
マンハッタン育ちの彼女だからこそ、大自然の魅力を一番受け止めやすいといったこともきっとあることでしょう。
CMの中の「ニンゲンらしくやってる?」という言葉の通り、彼女はすごくすごく都会人っぽいけど、同時にすごく人間っぽい。そこがヒッキーの本当の魅力だだろうな。