「田舎は暖かい人との繋がりがあっていい」とよく言いますが、それでも日々東京に出てくる人が絶えないという事実に、物事の本音が現れているように思います。
東京ほど、その人のもともとの顔を変えてしまう都市はないことでしょう。東京に来て、いい顔になる人と悪い顔になる人がいて、もし悪い顔になってしまったら、自分が育った街が自分の顔を元のいい顔に戻してくれる。
でも、実際は東京で色々なことに揉みくちゃにされながら生きている人の方が、世の中の変化を目の当たりにした本質的な顔だと言えるのかもしれません。
いつも思うことですが、東京には選択肢が圧倒的に多いようで、実は選択肢なんてたった2つしかないような気がします。自分の目標に向かって死ぬ気で頑張るか、それとも、東京という街に飲み込まれていくか。
東京には毎年7万近くの人が上京し、1日で計算すると毎日190人の人達が東京に移り住んでいる計算になります。日々の日常に追われるうちに東京に飲み込まれてしまい、その過程で大事なものを一つ、また一つと手放していく。
田舎で変化の少ない生活をするのがいいのか、それとも、東京で様々なものに揉みくちゃにされながら挑戦していくのがいいのかは、その人の価値観によりますが、少なくても「東京に行く」という行為自体は何か強い意思表示のようなものなのかもしれません。
東京では時代の変化に対するスピード感を学び、田舎では時代の変化によって急速に失われつつあるものをしっかりリカバリーしていく。東京と地方の関係はこんな持ちつ持たれつの関係が一番いいのではないでしょうか。