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「国境のない世界を想像してごらん。」というジョン・レノンの経済学が現実化すると、発展途上国から先進国に大量の移民が流れてくることになる。
ヤフーやグーグルなどのシリコンバレーの企業の約半分が移民によって設立され、移民というのは、自国を自らの意志で出てきた勇気と行動力のある人達であることは間違いない。
しかし、ハーバード大学のジョージ・ボージャス教授はジョン・レノンの理想が現実化された場合、次のようなことが起こると言います。
1.発展途上国の59億人の人口のうち、56億人が先進国に移住する。
2.世界のGDPは70兆ドルから110兆ドルに増大する。
3.先進国の賃金は40%下落する。
4.発展途上国の賃金は2.5倍に上昇する。
5.資本の収益率が60%増大する。
実際、「グローバル」という言葉だけを見れば、響きがよく聞こえるけど、世界がグローバル化して利益を得るのは、一部のエリートと資本家だけだと言うことを忘れてはいけない。
いま世界の国々で起きているのは、保守vsリベラルの争いではなく、グローバリストvs反グローバリスト。
反グローバリストの代表格として現れたトランプやイギリスのボリス・ジョンソン首相は、ただ単に自分たちの国だけがよければいいと言っているのではなく、どの国も「自国ファースト」になるべきだと言っているのだろう。
確かにグローバル企業で活躍している人はカッコ良く見えるけど、グローバル化は想像以上に恐ろしい。
人口減少という命題こそが、生産性を上げるためのチャンスだとも言えるし、子供を生まず、移民の受け入れも拒むのであれば、いまの生活基準を下げるしかないとも言える。
もしかすると、今度、グローバルで仕事をする人というのは、英語が堪能で外資や商社で働くエリートではなく、日本で仕事が見つからず様々な国境を彷徨う迷窓(ノマドワーカー)なのかもしれない。
結局、グローバル化と反グローバル化はどちらも正義なのだから、自分のリアルな感覚値をベースにして、思考をしっかりとマネージメントしていく必要があることでしょう。
きっと、グローバル化と反グローバル化、どちらも正しいのだから。