確かに、僕らが子供の頃は、とくにおばあちゃんなんかに「マンガなんて読んでいるとロクな大人になれないよ」とよく言われたものです。だけど、あれから20年近くが経って、今では様々な企業がクリエティブな発想や革新的なアイディアを生み出せずに困ってる。
よく、「そんなアイディアどうやって思いつくの?」って言うくらい新しいことをどんどん思いつく人たちがいますが、やはり人間はマンガやアニメなどの空想の世界で得たイメージを現実化させていく力を持っているのではないでしょうか。
中田英寿選手がキャプテン翼を見てサッカーを始め、田臥勇太選手がスラムダングを読んでNBAを目指し、ドラえもんを見て育った科学者たちが現在最先端のロボットをつくっているように、近い将来、間違いなく宇宙兄弟を読んで、宇宙飛行士になったという人たちが出てくるのは間違いないだろう。
将来性があって、何かと話題の宇宙ビジネスであっても、ビジネスとして成り立っているのはイーロン・マスクのスペースXぐらいだと言います。
だけど、中田選手だって、田臥選手だって、最初は日本人にはまだまだ未知の世界と言われた海外のリーグに挑戦し、市民権を獲得していったことを考えれば、宇宙ビジネスのような成功する確率が5%もない世界に、人々を引き込んでしまうところがマンガのすごいところだとも言えるのかもしれません。
昔、日経新聞を読んでいない人はビジネスマンとして認めないと言っている人がいましたが、恐らく近い将来、マンガを読んでいない人はイノベーターとして認めないと言われる時代が来るんじゃないだろうか。
アメリカはスパイダーマンやらスーパーマンなど、もう何十年も作家を変えながら、同じキャラクターでずっとストーリーをつくっているのに対して、日本はこれだけの多種多様のマンガが豊富にあるんだから、空想の世界という観点から見れば、世界で一番進んでいる国なのでしょう。
あとは、マンガの中で生み出された創造性をどう現実に置き換えて、行動に移すかだけなのではないかと思います。