スターバックスの元CEOであるハワード・シュルツはスターバックスを拡大するための初期の資金集めで242人に呼びかけて、217人に断られたのだと言います。
この数字から見れば、自分のアイディアを信じてお金を出してくれる確率はたった8%で、92%の人からは「お前のアイディアには投資する価値がない」がないと言われたことになりますが、シュルツ氏は当時のことを振り替えって次のように述べています。
「負け犬の気持ちを知りたければ、会社を設立するための資金集めをしてみることだ。 門前払いされ、疑いの日で見られ、自尊心を踏みにじられ、そんなアイデアなど何の役にも立たないとあらゆる難癖をつけられるだろう。」
「その一年間、私は単なる負け犬というより、負け犬の負け犬だった。」
「私は一年かけて資金を集めようと頑張った。242人に呼びかけて217人に断られたのだ。こんなに大勢の人から、あなたのアイデアは投資の価値がないと言われたら、どれほど気持ちが落ち込むか想像してもらいたい。 」
「私は自分にこう誓ったのである。もし自分が成功して企業家から投資を頼まれたら、どんなに欠点の多い企画であろうと、その企業家精神に対して敬意を払わなくてはならない。」
アマゾンのジェフ・ベゾスも両親から10万ドルを出資してもらう時に、お金で家族との関係を壊さないためにも、70%の確率でお金が返ってこないことを正直に伝えています。
借金をすることはマイナスだと思われたり、出資など受けずに自己資金で全部やった方がいいと言われることもあるでしょう。
しかし、孫正義さんが言うように、借金ができるということは、むしろ、その人には大きな利益を生み出す能力があると判断されているということでもあるため、借金はポジティブに捉えるべきだというのは確かに的を得ているのかもしれません。
よく、成功する経営者には先見性があると言われますが、実際は目に見える範囲以上のことを予測するのはなかなか難しいのが現状です。
結局、成功したあとに言われる「先見性があった」というのは、短期的に何かを犠牲にしてでも、自身のビジョンを信じて続けてこれた結果だと言えるのではないでしょうか。
そして、お金を出してもらうということは、それを実行する前に、誰かにそれを信じてもらうということなのです。