July 18, 2014
【@シンガポール】日本が目指すのは「経済大国」ではなく「クオリティー国家」

シンガポールを車で15分ほど走っただけで、世界中からお金が集まっているのが分かります。5車線の広い高速道路、他のアジアの国とは比べ物にならないほどの清潔感、そしてフロリダの別荘のようなマンションが見渡す限り立ち並び、これが一つの国だとはとても思えません。


↑5車線の高速道路

シンガポールの元首相、リー・クアンユーに国の政策についてアドバイスしたのは元マッキンゼーの大前研一さんだったと聞いたことがありますが、もし大前さんが1995年に東京都知事に当選していたら、日本の国際化はシンガポールのようにもっと進んでいたかと思うと少し胸が痛いです。

シンガポールでのAirBnBのホストはオーチャード・ロードにある高島屋で働く中国系のジュリーでしたが、自宅の豪華さに圧倒されてしまいました。


↑マンションの入り口

共有ではありますが、別荘並みのプール、ジム、そしてテニスコートが完備され、敷地内にはスーパーやクリーニング、ペットショップなどがあり、まるでUCLAのキャンパスを歩くように住民達が敷地内を行き来しています。

そして、夜にはジュリーさんにマリーナベイサンズの最上階にある「Ku de ta」というクラブに連れて入ってもらいましたが、もう綺麗な夜景をバックに、世界中の人達がまるで独立記念日のような勢いで朝まで騒いでいました。


↑シンガポールの夜は朝まで続く

ただ今回、滞在してみて感じたのは、大前さんが指摘している通り、シンガポールの繁栄の源はシンガポール自身にあるものではないということでした。シンガポールは地図で見たら、米粒のような国、地下資源や石油が出るわけではないし、農業をする敷地などとてもありません。

リー・クアンユー政権下の「独裁開発」で築いた地盤を元に、世界中からもっと安いものを輸入して、「生活の質を上げてもコストを抑えている」のが街を歩いているとよく分かります。

実は10年近く前、高校の修学旅行で一度シンガポールには来たことがありました。その時は「唾を吐いたら罰金なるらしいよ!」と笑ってバカにしていましたが、そのちょっと過激するほどの政策が海外から来る人達を安心させ、金、人、モノが世界中から集まってくる源になっているのではないでしょうか。


↑国際都市になるにはしっかりとしたルールが必要

タクシーの運転者さんにシンガポールに来るのは10年ぶりだよと伝えたら、「それはそれは。シンガポールは10年前とは比べものにならないほど変わりました。10年前はインフラもまだ整ってなかったし、カジノもありませんでしたから。」と笑っていました。

日本でも欧米でも基本的に国民は政治家に対して、賄賂や汚職などの疑いの目を向け、「なんで政治家にそんな権限があるんだ!」と政治家の権限をできるだけ小さくしようとします。しかしシンガポールのように政府の権限を最大化し、国を前進させることで、ここまで繁栄している国があることを忘れてはいけません。

シンガポールに見習い、日本が次に目指すのは「経済大国」ではなく、シンガポールやスイスのように世界中の人達が移住したいと思わせるような「クオリティー国家」なのかもしれません。それは国民の役割と言うよりは政治家の役目ですが、その「政治家」を選ぶのは私たち国民なのです。

/SINGAPORE_TRIP