井上雄彦さんのスラムダンク、バガボンド、そして、リアルの3つに共通することは短期間にものすごいスピードでの成長を求められた若者の物語だと言うことだ。
特にスラムダンクの中で、海南の清田信長が桜木や流川に対して言った、「こいつら、どんどん変わっていきやがる」という言葉こそ、一番の褒め言葉なんじゃないか。
恐らく、原作者の井上さん自身もいつ契約が打ち切られるかも分からないマンガ家の世界で、「次の締め切りまでに自分が成長しなければ、もう次の仕事はない」とマンガの登場人物と自分自身を同化させることで、物語をつくっていったんだろう。
だからこそ、あんなに人の心を動かすマンガが書けたんだと思う。
これは仕事にしても、何にしても同じことだ。特にスタートアップとか創業まもない会社なんかは、自分が4〜6ヶ月前にやっていたことに対して、「うわー、なんてレベルが低いことをやっていたんだ」って思うくらいのスピードで成長しないと遅すぎるんだろう。
つまり、「速すぎるぐらい」じゃないと「遅すぎる」ということなんじゃないか。桜木花道のように。