All photo by Leading Company
北欧に行くと、多くの現金を持つより、多くの友人を持った方が幸せだという言葉の意味がよく分かります。
予防医学で一番重要なのは、食事でも運動でもなく「つながり」なのだそうで、実際は、タバコよりも孤独の方が身体に悪いというのは確かにその通りなのでしょう。
よく、北欧の人達は世界一幸福度が高いなどと言われますが、恐らく当の本人たちは、自分たちが世界で一番幸せな国民などとは思っていないのではないかと思います。
↑恐らく、北欧の人たちは自分たちが世界一幸せな国民などとは思っていない。(LC.inc)
北欧に行ってみると、とにかく寒いし、物価は高いし、街を歩いていても、何か特別面白いものがあるわけでもなければ、人々が特にワクワクしている様子もありません。
ただ、北欧の国々が他の国々と大きく違うのは、日本を含めた幸福度があまり高くない国が、自分のためにお金を使う傾向が高いのに対して、北欧の人達は、自分が大切だと思う人達のためにお金を使う傾向が高いということです。
世界で最も有名な投資家、ウォーレン・バフェットも、まずは自分の家族や友人、そして、自分が属するコミュニティにお金を使うことが一番費用対効果が高い投資だと考えています。
きっと、家族や友人も株式と同じで、長期的な目線で見れば、友人、家族、近所の人の幸せが自分自身の幸せに直結してくることをしっかりと理解しているのでしょう。
↑長期的に見れば、自分の周りの人たちの幸せが自分の幸せに直結する。(LC.inc)
カナダで行われた実験でも、自分一人でスターバックスのコーヒーを飲むよりも、他人にコーヒーを奢ってあげて一緒に飲むといったように、他人と絆を深めるようなお金の使い方が幸福につながるという結果が出ています。
経営コンサルタントの神田昌典さんは、時代が大きく変化する時というのは、「何が圧倒的に欠落しているか」によって、特徴づけられると言います。
例えば、明治維新では欧米列強と比べての「国力の圧倒的な欠落」、終戦直後は「物資の圧倒的な欠落」などといったように、欠落しているものをどう埋めるかを考えることが、次の時代を生き抜く大きな鍵になっていくわけです。
そういった意味で、家、車、そして、スマートフォンなど、物質的な豊かさを手に入れた日本に欠落しているものは、北欧諸国の人々が持っているような精神的な豊かさであり、これをどう満たしてあげるかということが、これからのビジネスや幸せに繋がっていくのでしょう。
↑その時代に「圧倒的に欠落しているもの」を埋めてあげることが大きなビジネスチャンスになる。(LC.inc)
かのグーグルも、健康と人間の幸福を改善することを目的とした会社「Calico」を設立しています。
北欧に行くと物価の高さと寒さを引き換えに大切なことを色々と考えさせられますが、もしかすると、この問いに対する答えこそが、大きなビジネスチャンスなのかもしれません。