November 2, 2018
「最先端の田舎」で起こっていることを、「時代遅れの都会」に持っていくことがビジネスになる。

最近、「アメリカから遂に上陸」などと騒がれているWework、Shake Shack、Blue Bottle Coffee、Ace Hotelが提供するオフィス、ハンバーガー、コーヒー、そして、ホテル自体に一体どれだけの価値があるのかは実際のところよく分かりません。

Weworkの近所同士が協力し合う文化、Shake Shackの出店した地域が潤う経営、Blue Bottle Coffeeの一杯、一杯の焙煎したコーヒー、Ace Hotelの地元のアーティストと協力し、あえて古い建物をリノベーションするというそれぞれのコンセプトで運営されています。

しかしながら、このようなコンセプトは、ひと昔前に、喫茶店、昔ながらの地域社会、「あ、醤油切れちゃった。お隣さんから借りてきて」と言ったような文化が当たり前にあった日本人にとっては特に目新しいものではないように思えます。









欠落や欲求不満からビジネスがが生まれ、アメリカ文化の本質は、いかに良いものを作るかどうかというより、まず始めに「いかに売れるかどうか」を考えることなのだと言います。

そう言った意味で、僕たち日本人は、自分たちのDNAに組み込まれている当たり前のことにわざわざ高いお金を払い、それがまるで新しい物のように勘違いしてしまっているのかもしれません。

シェアオフィスは、自由と言いながらも、実は寂しい人たちの集まり、マクドナルドは効率社会の象徴的存在、スターバックスは慌ただしいビジネスマンがコーヒーをがぶ飲みしながら仕事をする場所ならば、今後はある一定の方向に傾き過ぎてしまった社会を元に戻していくことが大きなビジネスチャンスになっていくのでしょう。





田舎では地域の消防団に入り、夏になれば地域で草刈りをして、街全体で子供やお年寄りを守っていくなど、都会では誰かがやってくれることを自分たちで行わなければなりません。

こういった都会の人たちが手間だと思っていることから生まれるものが、最先端と言われているWework、Shake Shack、Blue Bottle Coffee、Ace Hotelなどの企業が提供しているものの本質だとしたら、都会で起こっていることを田舎に持っていくのではなく、「最先端の田舎」で起こっていることを、「時代遅れの都会」に持っていくことが、これからのビジネスとして成立していくことでしょう。









ピーター・ドラッカーは「変化はコントロールできない。できるのは、変化の先頭に立つことだけである。」と言いましたが、現代の最先端はひと昔前の日本人のDNAの中にあるのかもしれません。

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