October 5, 2017
東京ほど人の顔を変えてしまう街はない。

日本のすべてが凝縮されている東京ほど、いい意味でも、悪い意味でも、人の顔を変えてしまう街はないようで、自分ではなかなか気づかないけど、田舎から東京に出ていって、「あんないい顔をしていた子が、悪い顔になってしまった」という話をよく聞きます。

でも、別に東京に出てくること自体が悪い事ではないような気がします。矢沢永吉さんや福山雅治さんの本を読むと、「東京に行って変わりたい」、「東京で名を上げたい」などと言った強い意思表示のようなものがあり、若くして自分の意思で東京に出てくる人ということは、きっとみんな彼らと同じ気持ちなのでしょう。

東京に行くというのは、それなりに強い意思が必要なのだ。

多くの日本人の顔を撮り続けてきた写真家の荒木経惟さんは「顔は喜怒哀楽のいろいろに犯されて初めていい顔になる」と言っていますが、そういった意味では、東京ほどいい事も、悪くことも一気に経験できる街は、日本には存在しないと言えます。

東京には自然も地方のような共同体もないけど、常にものすごい変化に本能的に対応しているのだから、東京の顔というのはある意味最先端で、その時代を象徴している顔なんじゃないだろうか。

ただ、そういった意味で長く東京で暮らしている人にとって、自分が育った故郷というのは、自分本来のいい顔に戻してくれる場所なのだとも言えるのかもしれません。

よく思うのですが、地方で育った人が高校・大学を卒業して東京に行く理由というのはたくさんありますが、東京で生まれて育った人が田舎に移住する理由というのはあまり多くない気がします。

だから、18歳になって自分の意思で東京に行くのはもちろん自由だけど、18歳までは無理やりでも東京以外の地方で育った方が、人生を総合的に見た時にバランスが取れるのではないでしょうか。

高校生の時は、「君の名は。」に出てくる三葉ちゃんみたいに、「生まれた変わったら東京のイケメン男子になりたい」みたいなことを思ったりした時期もありました。でも、もう何年も東京に住んだ後でふりかえってみると、やっぱり育ちは田舎でよかったなという本音が出てきます。

田舎者とバカにされながらも、東京出身の方が「帰省するなんて言葉、一度でいいから使ってみたい」なんて言っているのを聞くと少し嬉しくなってしまっている自分がいたりしますが、、

/TOKYO_FACE